魔法しか使えない世界 歴史博物館編3
16
学校へつくなり俺はイレーネが俺にとびかかった。
「やっと二人きりになれますねタケル。」
イレーネはエーホンを睨み俺の手を引っ張った。学級としての解散はすでにバスの中で済ませたため俺はエーホンと共に話ながら駐車場からイレーネの待つ学校へと戻ったのだ。
「子供だなぁ。」
「大人です。」
言い返すとエーホンは手を振って職員室の方へと消えていった。父親のもとへ行くのだろう。
「さっ、車は用意してありますから。」
俺がエーホンと一緒にいることが嫌なのだろうか。イレーネは俺の手を引いて無理やりに車の中へ押し込んだ。
17
「校外学習はどうでしたか?」
「楽しかったよ。」
イレーネは一瞬眉間にしわを寄せる。ただすぐに笑顔になるとまた質問をした。
「どんなところが?」
「一番は俺が天才だということをクラスの人間に示せたことだ。発魔所で俺は錬金術を使った。俺だけが使えた。これほど最高なことはない。」
「タケルらしいですね。」
「俺は神だからな。」
「他には?」
歴史博物館についても俺は話す。
「そんなことを期待してこの世界にやってきたのですか。」
「そうだ。俺の一番の目的は俺が天才でありことを示すことだ。だがこの世界に来てからも俺が天才であり神であるために冒険者として目立ちたかったんだ。」
「結果的に目立ってるじゃないですか。」
「確かにな。」
この世界は俺が思い描いたものとは違っていた。俺はロマンを求めてこの世界へやって来たがこの世界は現実的な魔法が現代の地球での電気のように発展し見た目だけならば地球と変わらなかった。しかしそれでも俺は自身の才能のお陰で現実的で非現実的な錬金術に成功した。俺は神になる。俺は神だ。
「ところでタケル。文化祭のクラスの出し物は一体なんなのですか?」
「は?」
次回からは文化祭編の予定。
調べたら海外に文化祭ないらしい。