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THIS WORLD IS ONLY USES MAGIC  作者: 海野 幸洋
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魔法しか使えない世界 旅行編9

15

京都。そこが俺の転移した場所。先輩と離ればなれになった場所。そこに似た場所に俺はいる。俺たちは朝早くにこの場所へと到着した。鉄道の駅につくとそこにはタワーが建っていた。ガラス張りになった駅舎は相変わらず綺麗であり日本となんら変わりなかった。俺たちは京都を旅行する。実際には京都という名前ではないが。しかし似すぎている。このことを思うのは何度目だろうか。金色の寺。宗教施設らしい。骨組みの上で良い見晴らしの建物。駅から反対へ行くと赤い立派な建物があった。中には人の形をした仏像のような物がある。大きな川もある。川を渡ると山がありそこを登ると中央国で最古という木造建築があった。それは連邦内でのことなのだろうか。なんとなくその山を頂上まで登る。頂上には簡単な屋根のある休憩所があった。俺たちはそこで休憩する。朝からここへ来たが時間は昼を過ぎていた。よくこんな短時間でこれだけのことを行ったと思う。普通の旅行ならば無理だろう。普通の旅行ならば。

俺たちがこのようなルートを取る理由。それはこの土地の探索だ。ここまで来る列車の中で俺はみんなに提案した。京都には結界や霊脈が存在していた。日本に存在する非科学的な物。俺はそれをこの世界でも探査した。俺の中には疑問が存在している。この世界と地球ととても類似している部分が多い。星の大きさや恒星との関係は多少は違う。しかし似ている。俺の中でそこから疑問が生まれた。俺はなぜ欧州に似た場所に転移したのだろうか。ここまで酷似した場所が存在しているならば俺は京都御所からこの世界の京都御所へと行き着くはずだ。それとも異世界へ転移する場合場所は関係ないのだろうか。実際星そのものの環境は違う。しかしでは何故俺はこの世界に来たのか。ならば重力も酸素もない宇宙空間に転移することもあり得たはずだ。しかし俺はこの世界の西国に転移した。それは何故なのだろうか。分からない。何故俺はこの星にきたのだろう。予想できることは多くある。あの日あの場所から西国のあの場所へ転移する確率はいくらあるのだろうか。そしてイレーネに発見される可能性は。そもそも自然にそのような状態になるのだろうか。神が俺のことを指定した場所に転移させたのだろうか。それは運命か。俺は神は信じる。しかし運命には絶対に従わない。俺は神だ。神だ運命に従ってたまるか。だから俺はこの地域、京都に似た場所を探査していた。この場所について調べれば何か分かるかもしれないから。

「何か見えますか?」

望遠魔法を使い辺りを観察しているとイレーネが俺に聞いてきた。望遠魔法といってもこれは水から氷を作り出してレンズ化させる魔法だ。外道魔法と言うらしい。れっきとした念力的な力で遠くを観察する魔法と違いこちらは物理的な魔法。初級魔法の組み合わせでできるが想像力が不可欠になる。だから以外と難しい。それにこれは戦時中に魔法の初心者が開発した非常用魔法であるらしく一般人からは嫌われた魔法。ただ法律的には使っても良い物だ。実際に今でも一部の人間には使われている。俺もこの魔法については書物に記載されていないためインターネットを使って発見した。ただ今の俺には最適だ。俺は氷で作られたレンズを覗き京都を観察する。倍率を調節すれば大分遠くまで観察することができた。

「観察していると疑問が多く出てくるよ。」

俺は彼女に言った。さすがに楽器の演奏は行わずに俺たちは山から下山した。来た時と同じように列車に乗り俺たちは京都の中心街へと帰った。列車が二階建ての列車で少しくつろいだがアクトゥルスが途中で下車して何かのグッツを買うことに俺たちも付き合わされた。

それからも旅は続いた。鉄道の関係かまた見晴らしの良い建物の近くに来る。俺は折角来たのだからと近くにある大学の博物館へと立ち寄った。そこでシュメさんのことを思い出す。思えばシュメさんとも未だ再開していない。シュメさんは大学で働いていた。もしかしたらここにはシュメさんに似た人間がいるのかもしれない。嫌、、そう考えると俺やオカ研のメンバーに似た人間がこの世界にいることになるが。そしてそれからは地下鉄に乗りまた別の方角へと行った。ナノの希望で川下りを行った。モルガンの希望で桜に似た綺麗な植物の存在する宗教施設へと行った。岩と砂の庭園なんかも見た。その間もみんなは楽しんでいたが俺はこの土地のことを調べていた。そして夜になる。

「ここが最後の場所か。」

アクトゥルスが言った。

京都御所。やっとここへとたどり着いた。

「ペンドラゴン家の力で中に入る許可は出ている。タケル。生一派調べてこい。」

さすがは旧領主の家。そのくらいの権力はあるらしい。俺はその中へと入っていった。他のみんなはみんなで案内の人間に観光させて貰っている。イレーネを除いて。

イレーネは俺に着いてきた。彼女は俺と共にこの建物を観察したいらしい。結界の場所。その中心地。俺は改造したスマホを取り出し。昔の記憶からあの日のことを思い出す。そして草薙の剣を取り出した。特別に許可を得て帯刀を許可された俺はそれを結界の中心と思われる場所に設置した。そして他の神器と共に。


神器へケーブルを繋ぐ。神器を手に入れてからも俺は死んでいないことを考えると見ると死亡する噂は嘘だったのだろう。それかこの神器が分身だからかもしれないが。俺はスマホの画面に映された転移プログラムを見て画面上のエンターキーを押す。きっとこれで床に魔方陣が現れるはず。

であった。何も起こらなかった。転移プログラムは完璧なはず。地球で作ったそれを思い出してスマホに入れた物。しかし魔方陣は写されない。

「嘘だろ。」

俺は呟いた。

「大丈夫ですか。」

イレーネは聞く。俺には自信があった。これで日本へ帰れる。そこで俺は俺のことを罵った人間たちを見返す。そのために今日俺はこの地を探索していたのに。

俺は神器を回収するとイレーネに連れられアクトゥルスたちと合流した。それからのことはあまり記憶にない。ホテル行って次の日は遊園地で遊んだ。映画スタジオのような所だった。そして午後には高速鉄道に乗り西国へと帰還した。もうすぐ学校が始まる。俺は次の学年になる。いつ俺は、自身の証明をできるのだろうか。



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