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THIS WORLD IS ONLY USES MAGIC  作者: 海野 幸洋
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魔法しか使えない世界 学校編5

俺はため息をついた。俺は天才である。すでに俺はクラス内での成績はトップだ。最初のうち俺の悪口を言っていた人間たちはすでに黙っている。しかし俺は未だ地球から持って来た神器を操れずにいた。勾玉は魔力を通せば反応はする。しかしそれが本当の意味で扱えているかと言えば違う。俺にとって神器はチートだ。しかし俺はチートを扱うことができなかった。

「でも、あなたの存在は十分にチートですよ。」

「それは俺が天才だからだ。俺の体も確かに強いが確信的な物ではない。俺は神になりたいんだよ。イレーネ。」

今日は休日であり俺はアドラー家の自室でイレーネと共に神器をいじっていた。俺はここ数日放課後にイレーネを待つ間、学校の図書室に通い全ての本を読みすすめ読破していた。本の中にはつまらない恋愛に関する本などもあったが異世界の言語、文化を学ぶためにも俺は我慢して本を読んでいた。つまらない本もあったが神器に関する資料も何点か見つけていた。だから俺は三種の神器を調べることにしたのだった。ちなみにイレーネに関しては勝手に首を突っ込んできた。彼女も俺の持っている神器には興味があるらしい。

「全く先日まで魔術を何も分かっていなかった人なのに。あなたの才能は私も認めますよ。でも神になるなんて本当に可能なんですか。」

「なるのではない俺は元から神なんだ。周りの人間は俺のことを中二病だなどと笑っていたが俺は神なんだよ。」

「その自信はどこから来るのですか。」

彼女は呆れているが俺は自分の考えを変える気はない。しかし俺が手に持つ神器は一行に変化を見せず折角の休日はすぐに終わってしまった。明日は学校がある。この世界の暦では俺は異世界に来て三ヶ月がたつころだった。文明は季節の整った場所で発展しやすい。それはこの世界でも変わらないのだろう。この星にも地球同様に季節が存在する。秋に似た季節のころこの世界に来た俺はこの世界で初めての冬を体験しようとしていた。


いつものようにアドラー家の魔動車に乗って俺はイレーネと共に学校へ登校する。車窓には歩いて登校する者たちの姿が見える。イレーネの父親によるとアドラー家は貴族ではなくともエルフの代表であるなどこの国では有力な家計であるため車での登下校は当たり前のものらしい。イレーネであれば暴漢など簡単に倒せると俺は思ってしまうが危険は避けたいのだろう。魔動車。魔法の力で動く車。俺はこの車に興味を持ち図書室で調べたことがある。そして魔動車というものが生まれた歴史を聞いた時俺は少し呆れてしまった。この世界での魔法の歴史は深いようで浅い。魔法は元々は魔獣や一部のエルフを含めた魔人がエネルギー源として利用していたものだった。魔獣は通常の生物のように食事を行わない。例えるならば動ける植物のような生物だ。植物は太陽の光エネルギーを使って生きる。それに対し魔獣は魔法の魔力を使って生きる。生物学による本によればこの世界にもミトコンドリアや葉緑体に似た物が細胞内に存在するらしい。それが本当に俺の細胞の中に存在する物と同じなのかは分からないが。エルフの一家であるアドラー家は人間との交配を重ねることができた。が、俺はこの世界の生物と交配が可能なのだろうか。恋愛に興味はないが俺は自身とこの世界の生物に関しての興味がわいた。話がそれたが魔獣には第三の細胞内共生を行う細胞小器官が存在するらしい。だから魔獣は魔力で生きる。また魔獣にも種類がある。植物が第三の共生をしたもの動物が葉緑体を取り入れずにそれを行った例。ただ原生生物と共生した例はないらしい。そこは地球の生物と変わらなかった。そのため魔獣は光合成をするものもいる。また魔力がない場合は動物と同じように生活する生物もいる。そしてエルフや魔人は元々は人間として進化した動物だった。しかしある時魔獣の遺伝子を取り込んだ人間が現れた。おそらく原始人が魔獣を捕まえて食べたのだろう。そして原始的な魔人が誕生した。人間も目はクラゲに似た人間の子孫が植物を食べ、その遺伝子を取り込んでできたという。この世界の生物がどうやって目を手に入れたかは分からないが地球の生物はそうだ。またメスの子宮も恐竜がいた時代にウイルスから貰ったもの。そして原始的な魔人は何系統かの種族に別れていった。その中にエルフの系統が存在した。それだけ血筋が離れているにも関わらず交配ができたことには驚きである。人間と猿の交配は不可能であるがライオンと虎が交配可能なことと似たようなものだろうか。ヤマトカブトとヘラクレスの交配が不可能でもアトラスとコーカサスの交配が可能なようなものなのだろうか。とにかくそういった理由でエルフは魔法を使うことが古来からできた。しかし、そのころの魔法は文化に基づいたもののような物で研究がされなかった。そもそも本来のエルフは自然と共に生きる種族であり文明の発展を行わなかったらしい。そしてある時、人間が魔法に目をつけた。それはまだ数百年前のこと。人類は魔法を研究していった。そして今の魔法学が成立した。人間の探求心はすさまじい。それまでエルフの文化に溶け込んでいた魔法は人間のものに変わってしまった。杖が開発された。魔道具が開発された。ただ、魔動車の歴史は浅いものらしい。この世界にも石油が存在する。石油は地面からわき出る燃える水として認識されていた。また魔法よりも扱いやすいという理由からその技術の発展は魔法よりも早かった。この世界に電気は存在しない。しかしある程度の科学に似たものは存在する。だから石油も当然開発された。魔力よりもため込みやすかったそれは昔は重宝された。昔にはガソリンエンジンも開発された。魔法石を通せば石油は魔力変換も可能だった。ただ石油文明が発展すれば生じる問題がある。地球温暖化。地球でもよく取り上げられた問題。この世界でも当時は問題になった。といってもこれは戦前、100年も前の話なのだが。結果として魔動車が生まれた。人類は魔法をため込むバッテリーのような装置の開発に成功した。そして今俺たちが乗っている物もその一つなのである。どんな世界でも起こることは同じなのだろうか。地球温暖化。地球は温暖化していたが俺はあの世界ではエコ運動などには反対だった。生物は日々進化している。地球の温暖化を止めたいのは温暖化で経済的に損失が起きる人間たちだ。そんな者が俺は嫌いだった。


「学校に着きましたよ。」

俺が黙り込んでいると車はいつの間にか目的地へ到着していた。俺たちは車から降り校舎に入る。

「ではまた放課後。」

俺たちは互いの教室を目指す。今日も俺は天才として振る舞っていく。

「太陽神に感謝を。」

教室に着き俺はすでに椅子に座ったアクトゥルスたちにあいさつをした。


実際に地球温暖化って人間の身勝手な考えだと思う。

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