魔法しか使えない世界 学校編3
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俺はこの世界を侮っていた。異世界人など科学には無頓着だ。きっと魔法しかやっていないのだろうと高をくくっていた。しかし現実は違う。異世界といっても科学ではなく魔法が発達しただけの世界。そして風景も俺が元いた世界に似ている。だからか魔法も十分な発展を遂げていた。そして勿論初歩的なことは授業で習う。特に魔術を専門といた学校では。
今日の授業は炎魔法に関することだった。最初、俺はこう思っていた。何故炎が発生するかなんて習わずただ、炎の出し方だけを学だろうと。しかし現実は違う。この世界では科学が発展していない。しかし化学なら研究されている。この世界で電気は迷信だ。なぜなら電気の変わりに魔法があるから。しかしそれ以外なら存在する。宇宙の構造は全て違うのではなく一部しか違わない。そして異世界が誕生する。この世界にも酸素は存在する。いや、それが本当に酸素なのかは分からないが俺がこうして呼吸している以上は酸素として扱っていいのだろう。火は物質が酸化する時に発生する。代表例として炭素だ。炭素は酸素と結びつき安い。またマグネシウムも酸素と結びつく。結びつきにくい物でも大量の酸素があれば結びつく。そして結びつく反応をする時に火は光と熱を放出する。そして残りかすとして二酸化炭素など酸化物が発生する。こんなこと中学生で習うことだ。俺は生まれた時から理解していた。そして魔法しかやってこなかった異世界人などこんな初歩的なことも理解できないだろうと思っていた。いや中世の地球ですら理解していなかった。しかし俺が転移したのは魔法が発達した現代的世界。だから中学生でも理解できることは魔術学校入学前に習う。魔術学校は俺の世界で高校レベルのことを学ぶからだ。だから生徒はみな初歩的なことは全て理解していた。
「炎魔法に関しての原理は中等教育機関で学んだだろう。魔道具を使い実験もしたはずだ。」
教師は生徒たちに言う。クラスメイトはそれに頷く。
「そして今から行うことは、それの上位的なことだ。今までは魔道具に頼ってきたが今日は杖を使って実験を行う。」
魔道具。この世界には至る所にそれが設置されている。日本における電化製品のような物だ。電化製品同様に中に魔術回路や魔術基盤が入っていて魔力を流せば起動する。魔法が使えない俺ですらアドラー家の屋敷で使い方をマスターした。しかし今、俺の目の前の置かれた居るのは魔道具ではない。杖だ。杖にはリミッターがセットされているぐらいで後はただの棒の先に宝石が付けられている。勾玉の没収はされなかったものの俺は今はこの宝石を封印しておこうと決意していた。だから今回は指示通りに杖を使う。
「魔法はイメージです。魔法はプログラムとしてのイメージを宝石に送り同時に魔力を宝石に流します。すると魔法を打つことができます。」
無詠唱で魔法が打てることは俺の予想通りだった。魔法には詠唱がいらないらしい。頭の中で考えたこと魔法として使う。しかしそれはイメージといっても魔術の原理について深く考えなければならない。それこそが一般魔術師の才能。そして魔法は炎魔法以外にも種類がある。そして炎魔法ですら魔法使いにとっては初歩的な物だった。魔力と酸素を化合させる。エネルギー体である魔力は炭素の代わりを務める。
炎の原理は中学生でも理解できる。しかし、それを複雑に考えることは。
俺はできた。周りにも成功者がいたが。俺はできた。俺は炎魔法を使えた。俺には想像力がある。神として創造する力を持つことは必然的なことだ。だから俺は神になれる。俺は杖に炎を吹き出させた。しかし杖にはリミッターがありいくら魔力を流そうと炎はそれ以上大きくはならない。教員は俺の作り出した炎を見て賞賛した。このクラスで一番きれいな火を作ったのが俺だからだ。それには俺をののしったクラスメイトたちも悔しそうに眺める。奴らは俺が不良を倒したことを聞きあれ以降何一つ言ってこない。俺も普段クラスでは1人だがアクトゥルスたちも話しかけてくるなど楽しい日々を送っていた。
撤回しよう。俺には魔術の才能がある。このクラスのなかで俺は一番魔法を上手く使うことができる。俺は天才だ。体はチートでできている。最強の武器だって持っている。俺はこの異世界で最強になれる。天才だ俺は。俺は天才。俺は天才。そして、いつか神になれる。俺は神だ。いつか元の世界に戻ろう。そして俺をののしった頭の悪い教師たちに魔法を撃ち込もう。
すぐ調子に乗る主人公
正直無詠唱魔法好き。