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THIS WORLD IS ONLY USES MAGIC  作者: 海野 幸洋
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魔法しか使えない世界 始まり編5

魔法の仕組みについては屋敷に居たときクルスとイレーネから教義を受けていた。魔法は体内のエネルギーを別のエネルギーつまり魔力に変換するもの。そしてエネルギーを変換する物が今俺が手に持っている魔法石の埋められた杖だ。エルフは杖を使わない。しかし体だけは常人の俺は杖を使わないと駄目なようだった。

授業を見ているとみんな魔法自体はできるが高度な魔法はまだ使えないらしい。実際、俺たちは魔術学校の1年で魔術を専攻していても最初のうちは基礎しか習わない。逆に言えば俺は天才として魔術学校のトップに君臨することも可能なのだ。とはいえ、この星の学校制度が日本と同じく半年前から始まっていて良かったと思う。これも戦後に世界で統一して決まったそうだ。

そして俺は教科書を見ながら少し考えごとをする。今俺が握っている杖には宝石が埋め込まれている。この宝石にエネルギーが通り魔法を使うことができる。そして杖の形はしているものの杖の形をする意味はないとイレーネたちが言っていた。そして教科書にはある画像が載っている。首飾りに宝石が埋め込まれた。俺は自身の首にかけられた勾玉に視線を落とす。これは三種の神器の一つ。つまりこれにエネルギーを通せば。


「では、あの的に向かって魔法を打ってみましょう。」

魔術科目の教師が生徒に指示を出す。的に向けて魔法を打つ課題。よくある展開。生徒が的に魔法を打つ。水魔法。炎魔法。魔法は何を打っても良いらしい。俺は何も持たず的の前に立つ。

「あいつ、何してる。」

後ろからは様々な声が聞こえる。心配する声。不思議がる声。隠れて笑う声。しかし俺は気にしない。何かあれば前の世界にいたように科学の力でどうにかすれば良い。俺は天才だ。それに俺には自信があった。俺はこの世界に来る前、浪漫会の仲間であるヒトガタ氏から送られた肉体強化細胞を摂取している。これは何か魔術に使えるかもしれない。前にいた部活。オカ研にいた先輩たちは魔術に似た何かを使っていた。俺もああなりたい。科学だけでなく、魔法の分野においても俺は天才と呼ばれたい。目の前の的を睨みつける。後ろで聞こえた声が止まった。俺が今から行うことに何か感じたのだろう。俺を深呼吸する。そして何も持っていない手を開き的に向け魔法を撃ちこんだ。閃光が的を突き抜け光った後に轟音が響き渡る。壁に穴が開き後ろにいた人間が絶句する。やはり俺は天才だった。魔術の世界でも俺は天才。そのとき、体に力が抜けることを感じる。そして胸に押しつけられるような激痛が走る。次の瞬間俺はその場に倒れこんだ。先生が駆け寄る。しかし言っていることが聞こえない。先生が俺の手を握り。何か唱える。まさか人生の最後が男に握られて終わるとは。でも大丈夫だ。きっとこの先には俺より格下の神が待ち受けていて新たな世界の扉を開いてくれるはず。


「全く、体内の魔力を全て使って魔法を打つとは何考えているのですか。それも出所の分からない魔法石を使って。」

「編入生よ、体内の魔力を全て使えばこの俺アクトゥルス・ペンドラゴンでも簡単にあれだけの大惨事を起こせるぞ。」

保健室のベットで俺は目を覚ました。そしてそこには授業を飛び出したイレーネと俺をここまで運んだアクトゥルスの姿があった。俺は体内の魔力を使いつくして倒れ込んだらしい。しかしなぜ?

「普通の杖には、あなたみたいにならないためのリミッターがかかってるんです。だから初心者でも魔法を覚えられるというのに何、魔法石に直で魔力を流しているんですか。今回は奇跡的に助かりましたけど、死んでいたかもしれないのですよ。」

どうやら俺はヒトガタ氏の細胞によって一命を取り留めたようだった。しかし細胞も魔法に関しては意味をなさないようである。俺は細胞をチートの一種と思っていたがこの世界では無駄らしい。それに勾玉が機能したことは嬉しかったがリミッターのかかっていない勾玉もチートにはなり得なかった。せめて生命維持程度のエネルギーが残って居れば良いがそれすら不可能なのだ。俺はしょうがなく授業では杖を使うことにする。


教室に戻るとアクトゥルスとモルガン以外誰も近づいてこなかった。周りの人間は俺を哀れな目で見てくる。運命があるなら俺はこういう運命なのだろう。


帰り道はイレーネと共に魔動車に乗って屋敷まで帰宅した。イレーネは教師と話しがあると言って俺は少しの間待つことになり、その間は図書室があったためにそこで時間を潰した。やはりハーフエルフは学校でも注目されているらしい。前の世界でも中学時代図書室は暇つぶしに使用していた。そこで分かったことだがこの世界の文字は地球の一般的な文字とは全く似ていないということだ。ある程度の文字については屋敷で覚えることができた。が、まだまだこの世界には知らないことが多い。どうやら杖に関しても俺が読まなかっただけで教科書に記述されていたようだった。

「その手に持っているのは?」

車の中で俺が図書室で借りた本についてイレーネが聞いてくる。俺は先ほどのことを説明した。アドラー家の書物でもいいが学校の書物も俺には興味深かった。そして俺は窓の外を眺める。この国は大分発展していて巨大なビルのような建物も多く存在する。異世界は中世ヨーロッパのようなイメージだったが十分に近代化していた。もしかしたら日本の方が遅れているのかもしれない。とはいえ科学が進歩した世界と魔法が進歩した世界では比べものにならないが。俺はそんなことを考えながら車に揺られ屋敷に帰るとイレーネの父親に跪き学校の壁のことを説明した。


魔法の授業は玉うってなんぼだと分かった

それ以外に表現が思いつかない。


異世界の図書室でも本は借りられる

そのうち異世界後について書きたい


次回から次の編に移ります!

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