科学しか使えない世界 10
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お昼を露店ですませると2人で喫茶店に戻った。部長たちにも何か買っていこうと思ったが先輩によると部長たちはまかない料理を食べるとのことだった。だからお土産などは買わず部室に戻る。喫茶店ということなのかサキュバス喫茶ということなのか12時をすぎても部室の前には列ができていた。部長によると空間をさらに広げサキュバスも追加で1000人ほど呼んだそうだ。後々聞いた話によればこの列は校門の外にまで及んでいたらしい。また人体に影響が出ない程度に部室の時間をゆがめて客の回転を上げたそうだ。
岸田先輩はクラスに行くために着替えると言って俺とは部室内で別れた。俺は部室前で受け付けをしている中戸と代わり午後の部が開始した。本当に列には終わりが見えないさらにいえばリピーターまでついている。特に普段は厳しい先生たちがスーツを着崩して何度も並び直しているのは印象的だった。
「まったく、男女が2人で回るのに何もないなんて。」
隣で声がする。見るとそこにはメイド姿の副部長が立っていた。
「どうゆう意味だ副部長?」
「あなったて頭良いのに鈍感なのね。」
俺はため息をつく
「俺は恋愛になど興味ない。そんなことを考えて岸田と俺をくっつけたのか副部長?」
恋などに使う時間があれば研究に時間を使う。それに俺の才能が子どもに引き継がれるとは限らない。もし俺が子孫を残すのであればクローンを作る。
「そういうことではないんだけどね、、、。」
副部長は俺にあきれた。