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科学しか使えない世界 9
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魔法使いと、うさ耳少女は理科室にいた。2人の趣味が合うものとして最初に思いついたのが科学部のショーだったからだ。目の前ではサルでも分かる実験を白衣の男子生徒が行っている。はっきり言ってつまらない。まぁ子ども向けだ。これに文句を言うことは大人げない。ただ時々旧世代の常識を男が言うことには怒りを覚えた。
「ちょっとあれはねぇ、、、。」
理科室をあとにし俺と岸田先輩は露店で買った飲み物を飲みながら愚痴をこぼした。子どもに間違ったことを教えてはいけない。もしかしたら今日の出来事で科学の未来が変わってしまうかもしれないのだ。そんなことを2人で話していた。少し休憩するとまた2人でこの後の予定を立て始めた。最終的にお昼までは看板を持って校内を回ることにした。看板に関してだが、先輩は地面の小枝を採り呪文を唱えると看板に変えてしまった。岸田先輩も十分に才能を持っている。