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空の温度
【 空の温度 】
存在を知らしめる様に
ひどく燃える空は
小さな僕を焼き払おうとする
あの日見た
君と見た
清らかな情景は
記憶の海に浚われた
君の居ない世界で
息をする苦しみを
もし総て吐き出したら
僕は0に戻るだろう
僕の閉ざせない視界には
其れしか無いから
愛とか好きとか永遠とか
簡単に云わないで
孤独が怖くて無理矢理求めた其れは
僕にはもっと辛くて
心とか幸せとか運命とか絶対とか
どうして笑って云えるの
間違えたピースを捻じ込めた
このパズルでは
孤独が僕を癒していく
足を止める事は出来ないから
僕にあるのは
愚かな逃避行、自己満足
其れで本当に満たされるの
簡単に愛さないで
僕はもういらないんだ
僕には辛いだけなんだ
愛とか幸せとか運命とか
君だけに永劫縛られる僕は
独りでは無いのかもしれない
たとえ繋がっていないとしても
この鎖が君の記憶だから
僕はずっと君を
抱き締めていたんだろう
其の燃える空は
変わる訳が無いんだ
変わって居たのは
只僕だけなんだ
『水銀拡散』からの修正版となります。
お読み頂き、大変有難く存じます。