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水銀暗渠  作者: 姫野いつき
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僕の愛した時間

【 僕の愛した時間 】



君の長い足跡の中で

僕は何時か

塗り潰されるだろう

君のきっと美しい視界には

醜い幻影はいらない


僕は置き去りに出来るかな

愛した時間の総てを


僕が波に浚われたら

君は手を伸ばさなくていい

君の両手はほら

そんなにも

宝物でいっぱいなのだから

僕が海底に沈んだなら

そっと眠ることにしよう


僕等の足跡は

一度離れれば

こんなにも脆い


僕は波に浚われるだろう

君は僕を忘れていい

君がいちばん愛しいと思える

両手の宝物を

落としちゃいけないよ

海底に沈んだ僕は

何時までも

眠りの訪れを拒むだろう


抱き締めた温度を

語り合った夢を

抱いた総ての感情を

言葉に反響する表情

名前を呼ぶ声

零れない様にかき集めた

さようなら

僕の愛した時間


ありがとう

名前を呼んでくれて

愛する総てへ




あの頃只願った

儚い忘却が

独り音も無く消えていくことが


何故

こんなにも怖い

『水銀拡散』からの転載となります。

お読み頂き、大変有難く存じます。

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