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君の夜空
【 君の夜空 】
君に会えない明日なんて
要らないよ
君の声も掻き消える太陽なんて
要らないよ
今日に蓋をしよう
今日も世界は美しくなかった
君が想いを置いてきた夜空を
見つけたい
雨は上がったのだろうか
窓が切り取る鈍色の空を
硝子越しに見上げる
無数の雨粒達は語らない
コンクリートは今にも泣き出しそうに
冷たい雫を反射する
今日はとても寒いね
同じ空の下で息をしている筈なのに
君はまるで蝶のようだ
あまり遠くへ飛ばないで
羽を休めてくれないか
軋む私の無機の体には
空はあまりにも遠いのだ
静寂に歌う濃淡の海で
君が見つけた光を教えて
やがて私を包む君の手は
止まった水面の清らかな優しさ
君だけの星の色を
私は君の言葉から覗き込む
いつか二人だけで
君の星をまた探そう
灰色の朝日 私は君を想う
どうか私を連れて行って
二人だけのうたが反響する
二人だけの城へ
お読み頂き、大変有難く存じます。