表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眠りの薬師  作者: うちゃたん
80/92

第八十話 断崖絶壁

夜明け前、迎えの船が来る。

いよいよ出発の時だ。

封印の島へ。




夜明けの前の、もっとも闇が深くなる頃に迎えの船が来るらしい。

ちょうちんの火で、足元を照らし道を進んだ。




「あぁ~眠い~。ぜんぜん眠い。あぁ~眠い」茶々丸は、ぶつぶつ言っている。




クルミも寝ぼけて、歩くたびに転んだり、岩にぶつかったりしている。



「おい、お前たち。しっかりとしろ!もう着くぞ。海へ落ちても助けてやらないからな」弾は警告した。




「もうつく?」茶々丸は目をこすり辺りを見渡した。。




「ギャーーッ!!!」目が飛び出そうな程、発狂。




「崖っぷちじゃねーか!お、おいおいおいおい!何て高さなんだ!」茶々丸は叫びまくった。





ここは、細くとがった断崖絶壁。

一歩でも間違えれば海に落ちるであろう、そんな場所だ。





「だから、海崖だと言っているだろ!」弾は呆れたように言った。



「もっと、押し迫るように言えっつーの!まさか、こんなに断崖絶壁だと思わなかったじゃねーか!」




クルミは、まだ寝ぼけている。

ふらふらと歩き、今にも崖から落ちそうだ。




「おい!クルミ!辺りを見ろ!目を開けろッ!死ぬぞーッ」




茶々丸は、クルミの頭に飛び乗り

必死になって起こした。




「んん・・・?」目をこすると、クルミにも見えてきた。この断崖絶壁が。




「ギャー―――――!」




「迎えの船ってどこに来るんだ?こんな場所からじゃ、海には出れない!

本当にここであってるのか?」クルミは震えて言った。




「多分・・・」



「多分!?多分で、こんな所に来たのか!

もう俺帰りてー!宿に戻れー!!」茶々丸は、ポコポコと弾を叩いて怒った。




「んん・・・ここのはずなんだけどな」弾は困った顔をして、首をかしげた。




すると、その時。

大風が吹き荒れ、波が高く上がった。

人ひとりがやっと歩けるような、細い崖。

三人は吹き飛ばされそうになった。




「クルミ!大丈夫か!」



「あ、あ~」




崖の一部が崩れた。

“ダメだ、俺たち、落ちる”そう頭によぎる。




すると

「二人とも!下を見ろ!」クルミが海を指差した。




指差す方へと目をやると、何やら光のような物がうっすらと見えた。




ふんわりとした光は、光の橋をかけるように

三人がいる断崖絶壁まで、差し込んで来た。




「な、なんだこの光!」茶々丸は、目をまん丸にした。




やがて光は、不思議な事にはっきりとした形となって現れ

丸みを帯びた、美しい太鼓橋となったのだ。





「すげーーー!光が橋になった!海へと続く橋が出来たぞ!」茶々丸は叫んだ。




「なんて綺麗な橋だー!橋の向こうに、ちゃんと船も来てる!」




恐怖の叫びは、歓喜の叫びに変わる。




「では、参ろうか」弾はその橋へ足を踏み入れた。




三人は光輝く橋を渡る。

さーついに、封印の島へと出発の時だ。

胸は高鳴った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ