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眠りの薬師  作者: うちゃたん
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第六十八話 謎の男

胸騒ぎ。

煙草屋から出てきたこの男。




弾が、近づいて行くと

その男は、すばやく歩き出した。




小走りで、後を付いて行く。




顔をうつむかせ、急ぎ足。

この男、まるで何かから逃げているかのようだ。




存在を消す事が出来るかのよう。

時より、姿が見えなくなってしまう。





「しまった、見失った!」



「弾!あそこだ!」人ごみの中、茶々丸は指を差す。





弾は走った。




「す、すいません!」人ごみを、謝りながら進んだ。






刺青の男は、人を掻き分け、町を抜けて行った。




そして。

静かな竹やぶへと入って行く姿が見えた。





「何故、竹やぶなんかに・・・」




弾も急ぎ、竹やぶへと入って行った。




竹やぶの中は、光が通らず薄暗い。

竹の向こうに消えそうな男を必死で追いかけた。







―すると




突然、男が振り向いた。



弾は、とっさに隠れる。





“良かった、木が近くにあって”





木陰に身を隠し、息を静めた。




“ドクンドクン”

茶々丸の心臓は、激しく鼓動している。




「びっくりしたー!!

え、バレた?何でいきなり振り向いた?

絶対バレたよ!」茶々丸は小声で騒ぐ。





弾はそっと、男の様子を伺った。




男は、まだ振り向いたまま

辺りを見回している。

弾の気配に気付いた事は、間違えないようだ。





竹の葉がかすれる音だけが響く

息苦しい時間。




誰もいない事を確認すると、男はまた歩き出した。






より、慎重に男の後を追う。




距離をあけ、背を低く、見つからないように

竹やぶを進んだ。





だが・・・。

またも、見失った。





「また、見失った!」弾は辺りを見回すが、見当たらない。




完全に見失ってしまった。




「あいつ、本当にすばしっこいな!何者なんだよ!」茶々丸は肩を落とした。




虚しく竹の葉が、ザワザワと言ってる。





すると

「カーカーカーッ」カラスが鳴いた。






「なるほど!」弾はそう言って、再び竹やぶを進み始める。




「えっ?今カラスと話したのか?」茶々丸は目をまん丸にした。





「一応、俺もカラスだからな!

男の進んだ方角を教えてくれたよ。

偶然にも、カラスが居合わせてくれて、助かった!」そう言って、不適に微笑んだ。





「こわっ!!」茶々丸は鳥肌を摩った。







―そして、二人はある屋敷へと辿り付いた。




そこは、言い知れぬ雰囲気を放つ屋敷だ。





「おい、ここなんかヤバそうな臭いがプンプンするぞ・・・」




「ふむ。あの影のある男が向かった先がこの屋敷。

訳ありな空気がすごいな・・・

この場所が、正しいとしたら。

パクの探し物と、この場所、一体何の関係があるのだろうか」弾と茶々丸は、しばし様子を伺った。





すると、誰かがこちらへやって来る。



弾は身を潜め、足音に耳を傾けた。






“何だか妙な場所にたどり着いてしまったが・・・

パク、必ず大事な宝物持って帰るからな”





二人は、同じ事を心の中で呟いた。




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