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眠りの薬師  作者: うちゃたん
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第六十五話 パクが見た夢

目覚めたパク。

その顔は清々しく、希望に満ち溢れていた。


一瞬にして変わってしまったパクに、ただただ驚く弾と茶々丸であった。




「今、寝てばかりだってのに。もう夢を見たんだな?」茶々丸が言うと、パクは頷いた。




「うん、ぼくは絹ばぁの、笑顔を取り返す事が出来る夢を・・・

夢を見る事ができたッ!」




その言葉に、弾と茶々丸の心はハッとするように、心臓が高鳴った。




パクは話しを続けた。




「弾が作ってくれた薬のおかげで。

ぼく、人間の事を少し理解出来たんだ。



透明だった物に色がついたみたいに。

ほんの少しだけ、見えてきた気がする」





二人は、真剣に話しを聞いている。




「ぼくが見た夢・・・。




それは、霧の中にいるみたいに無知で、何も見えていなかったぼくが。



人間が住む世界には沢山の色がある。

美しい物が溢れている。

その事に気が付いた夢だった!




だけど・・・。



やっぱりぼく一人じゃ大事な宝物。

探し出す事が、夢の中でも出来なかった。




けれど、ぼくが探している物を

弾と茶々丸が見つけてくれる夢を見たんだ!




さっきは、どこで何を探すべきかも

何も伝えられなかったけど。



今は伝える方法も、わかったんだ!




それが、色!

色で、弾と茶々丸に、絹ばぁの宝物の場所を

伝える。



その事を、夢がぼくに教えてくれたんだ!




だから・・・えっと。



どうか、一緒に探してほしい・・・、

お、おね・・・・お願いします!」そう言って、パクは頭を下げた。




その言葉に、弾と茶々丸は笑顔になった。





「当たりめーだろ!一緒に探すぜ!

良い夢見れて、よかったなパク!」茶々丸は、嬉しそうに言った。





「では、膳は急げ。

さっそく、絹ばぁの笑顔を取り返すべく、その色を教えてくれるかい?」弾は言った。




「うん!ありがとう!」パクはそう言って、地面にいびつな線を描き始めた。





―何を始めるのか?

弾と茶々丸はじっと見ていた。




下手くそな線だが、どうやら×と○を書いているようだ。




「×と○か?」弾が尋ねる。





「うん、そんな感じかな。



じゃ、言うよ!



絹ばぁの、宝物がある場所は、黒い×印がある所!

そして、絹ばぁの宝物は○で、黄色と紫色をしている!




これが、夢の中で見た事ッ!


弾と茶々丸の伝えられる事のすべてだ!」




パクは目を輝かし、叫ぶように言った。






が、しかし。


自信満々に言ったものの、想像していた反応とは・・・ほど遠く。

変な空気が流れる。





「ッ・・・・・・!」弾と茶々丸は目が点となっていた。




「んあ?・・・・で、それから?」




パクは首を傾げる。




「ま、ま、まさか!情報はこれだけって事はねーよな??」




「えっ???」パクも目が点となる。




「×と○だけで探すって???え、えー!!???」




「・・・・・!!????」しばらく混乱状態となる。




「え、ぼくなんか変な事言ったの?」




「変っていうか・・・・どうゆ事????」




「地図とかは・・・?」




「ぼく、地図ってなにかしらない」





「・・・・・!!!???」






「え―――――!!!!????」声を合わせ叫ぶ。








―――――数分後







「えっへん!気を取り直して」弾は仕切りなおした。





「まぁ、想像よりも情報が少なかったようで。

無謀とも思えるが。

明鏡の絵空事から見出した、答えだ。


きっと繋がる。信じてやってみよう」





「そうだな。やってみるしかない!

よし、いっちょ村に行くとするか!」そう言って、茶々丸は鼻をすすった。



だが、パクはうつむいている。




「パク、きっと大丈夫だ」不安そうな顔をしているパクに、弾は声をかけた。




「ありがとう」パクは、困った笑顔をして見せた。






という訳で、不可思木の森を抜け。

近くにある、とある村へ行く事となった弾と茶々丸。








「おい!パク!安静にしてろよー!大怪我してんだからなー」茶々丸は大きな声で言った。




「うーん!わかったー!」パクも大きく返事をして、いつまでも弾と茶々丸の背中を見つめていた。





“ぼく、何もできないけど。

お願い、絹ばぁがいなくなる前に

奇跡を起こして”



パクは心の中で、強く祈っていた。




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