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カラスの夢薬師  作者: うちゃたん
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第四十四話 祭りへの招待

―窓の外は不気味な風が吹いている。




不安そうな顔をして、どん太郎は外を眺めていた。

弾は出かけたきり帰って来ない。

大丈夫なのか・・・。




そんなどん太郎の顔を見て、アゲハは声をかけた。

「大丈夫だよ、どん太郎さん」



「あ、あぁ・・・祭りの事が気になってしまっただ・・・」




本当は祭りの事が気になっているのではない。

“紅あじさいの陰謀”これを暴きに出かけて行った弾の事が心配でならないのだ。

だけど、この事は弾と二人で内密に進めている事。

アゲハにも今は黙っていなくてはならない。

どん太郎は一人、不安な気持ちを抱えていた。




“弾、頼むぞ・・・”心の中で呟き続けている。





―すると、弾が帰ってきた。

白虎の事を終え、無事に帰ってきた。

どん太郎は、弾の姿を見て肩を下ろし安心した。





すると、まず茶々丸が大きな声を出した。


「おいっ弾!どこ行ってたんだ!」




「すまん、すまん。薬を配りに行っていた」




「聞いたぞ。お前の母ちゃん、主だったらしいな!」茶々丸は、腰を抜かすほど驚いたこの事。物凄く怒った顔で問い詰めた。




「あぁ」弾の返事はたった一言。




「あぁ、じゃねーよ!何でそんな事を黙ってたんだ!」




「昔の事だ。それに俺が生まれる前の話しでよく知らないんだ」




「ったく!秘密主義もいい加減にしろー!

他に何隠してやがるーっ!ちきしょ!」茶々丸は弾に飛びつきトントン背中を叩いて怒った。




「隠し事なんて、得にないさ!いてててッ!」




「このこのこのー!俺を欺けると思ったら大間違えだぞ!観念しやがれー」茶々丸の炸裂パンチは止まらない。




「いててて!」




喧嘩しているのやら、じゃれ合っているのやら。




「仲がいいね~」アゲハはそう言って、みんな笑って見ていた。






弾は、どん太郎を見て軽く会釈をした。

“無事に終った”この意味を込めて。



どん太郎も、弾の表情を見て

大丈夫だった事を理解した。




“良かった!うまく行っただ!”






―すると

コンコンと戸が叩かれた。




「誰だろう?」アゲハは呟いた。




クルミが戸を開けると、そこにはいがぐり坊やが立っていた。

いがいが頭をした、やんちゃ顔の子供だ。

いがぐり坊やの母も、毒にやられ弾の薬を飲んでいる。




「おや、いがぐり坊や。どうしたんだい?」




「あのね。さっき、祭りを見に行ってきたんだけど。

祭りは中止になった!

アゲハたちに知らせに行けって母ちゃんに言われて、ここに来た!」




「祭りが中止?」皆驚いた。



「うん。

主様が他の国の妖怪たちに、この辺りで流行り病があった事を説明したんだ。


そして、皆が完治に向かっているが。

今は祭りを行う時ではない。

回復したら改めて、十六夜祭り行うってそう発表したんだ。」




「そうなんだね!知らせに来てくれてありがとう」アゲハは、いがぐり坊やの肩をなで礼を言った。




「主様が決めた事ならば、心配ない!」くるみは力強く言った。




アゲハもくるみの言葉に深く頷いた。

みんな、白虎の目を絶対と信じているからだ。





すると、いがぐり坊やは少し緊張した面持ちで別の話しを始めた。



「それでね。

せっかく祭りの準備をしたから、皆が祝おうって言っているんだ。

皆の病気がどんどん良くなって来てるから。


だから・・・弾にも来てほしんだ!」いがぐり坊やは部屋の奥にいる弾を見た。



皆も振り返り、弾を見た。




「どうだい?いがぐり坊やがこう言っているよ」アゲハが言う。




弾は困った顔をしている。

「えっと・・・」




「あーもちろん行くぜ!いがぐり坊や!すぐ行くから待ってな!」戸惑っている弾の変わりに、茶々丸が返事をした。




すると、緊張気味だったいがぐり坊やは飛び跳ねて喜んだ。



「ワーーーイ!みんな喜ぶ!じゃぁ、裏の丘に来てねー!

早くだよ!待ってるからね!」いがぐり坊やは手を振り走って行った。





慣れない招待に、戸惑う弾。

嫌われ者で当たり前の人生。

どんな顔で祭りへ行けばいいかわからないが。

実はとっても嬉しかった。




「弾、ありがとう。オラはここで休んでいるから、楽しんできてくれ」どん太郎が言った。



弾は照れたように、うなずいた。




「よっしゃーーー初めての祭りだーーー!クルミ行くぞーーー!」




大興奮の茶々丸であった。

初めての祭り、どんな祭りになるのだろうか。




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