第四十二話 禁断の扉
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白虎は、弾が作った解毒薬をゆっくりと、薬を飲み干す。
そして
「忝い」そう言って、深く頭を下げ礼を言った。
そして、ゆっくりと口を拭き。
改めて弾に尋ねた。
「では、すべてを聞かせてくれ。
弾、お前は一体何を知っている」
ついに、本題へと入った。
弾は一つ頷き、話し始める。
「俺はただ、旅の道中。
この辺りをたまたま通っただけだ。
だがまず、はじめにこの辺りで
異変に気が付いたのは、大主大行列とすれ違った時だ。
毒の香りがかすかに臭ったんだ。
そして、今この辺りでは流行り病が起きている事を聞いて
どん太郎の顔のシミを見て、紅あじさいの毒だとわかった。
だが、不思議に思った事があった。
それは、あれほどの猛毒が流行り病となっているのに・・・
死者がいない事。
もしや、これは意図的に毒が撒かれているのではないかと思い始めた。
だとしたら、毒をまいたのは・・・
恐らく、主になりたい者。
申すまでもなく、誰かを殺めれば残光の矢は主として選ばないからだ。
そして、解毒薬が効き。
目覚めたどん太郎に話しを聞いた。
この国の使者、黒式について・・・」
“黒式”
弾がこの言葉を発した瞬間
主は少しだけ、どよめいた。
「もう、言わなくてもわかるであろう」どよめきを感じた弾は、話しを止めた。
だが、主は首を傾げた。
まるで何の事か、わからないと言った顔をしたのだ。
「そう、ここがわからない所だ。
なぜ、あなたがこうも盲目になってしまったのか。
主になろうと考える者は、限られた力ある者。
しかし、次の主であろうと言われた獅子大丸は深く毒に犯された。
この流行り病の原因を突き止めようとした、どん太郎も毒にやられた。
そして、何よりあなたに毒を盛り続ける事が出来る存在。
これほど力がある白虎を相手に、少しづつ、巧妙に毒を入れたんだ。
まるで、自分の力が極まった時に
都合よく死んでもらおうと考えているようだ。
母を食す、蜘蛛の子のように。
そして、あなたが死ぬ時。
そいつは、すでに主になっている。
残光の矢の心配はいらない」
白虎は、黙ったままゴクリと生唾を飲む。
だが、弾は容赦なく核心を就く。
「黒式の千疋・・・。
どん太郎に聞いた所。
子供の頃から、使者として仕えていたようだ。
そして、獅子大丸の次に力を持つと言われている。
だが・・・
もし千疋がやった事だとして。
いくら子供の頃から
仕えていたと言っても。
あなたの目を欺ける訳がない。
騙せる訳がない。
どうやって、あなたを騙し続けたのか。
ここがわからない所だ。
これが俺が知っている事。
感じた事、すべてだ」
弾の話しは終った。
弾の話しが終るや
白虎は何かを思い出しているようだ。
どこか遠くを見つめている。
そして、みるみると瞳孔が開いて行く。
まるで恐ろしい事でも、思い出しているような顔だ。
―白虎は感じていた。
ずっと奥にある、開けてはいけない禁断の扉。
それを開けてしまったような感覚。
この姿を弾はじっと見ていた。
まるで小さな子供のように何かに怯える白虎。
さきほどまでの、力強さと、迫力に溢れる姿からは
俄かには信じがたい姿だった。
“想像以上に、根深い毒だったのかもしれない”
弾は、息をのんだ。




