第三十話 流行り病
アゲハは深刻な面持ちで話し始めた。
「流行り病・・・。
変な病気がこの辺りで、広まっているのさ
信じられない話しなんだけどね
あっちこっちで、バタバタ倒れてる
だから、あんたたちも気を付けた方がいいよ」アゲハが忠告した。
「流行り病・・・?まるで人間だ」弾は不思議そうな顔をした。
「あぁ、変な話さ。だけど確かにこの辺りで起きてしまっている」
「アゲハの旦那のどん太郎も、その流行り病にかかってしまったんだ・・・」くるみが下を向きながら言った。
「・・・・」アゲハは言葉を詰まらせた。
「どんぐり坊やたちが、可哀想だ!」くるみは涙を浮かべた。
「くるみ、どん太郎さんなら大丈夫だよ!すごく強いんだから」アゲハは笑顔でくるみを励ました。
詳しくはわからないが、何やら本当に深刻な事が
この辺りでは起こってしまっているようだ。
その様子を見て、茶々丸は弾に耳打ちをして来た。
「弾・・・。診てやる事できないのか?」
「俺は医者ではない・・・深い病は治せない・・・」小声で、茶々丸に返事をした。
「診てやるぐらいいいだろ!どんぐり坊やだって悲しむじゃないか!」茶々丸は少し怒った。
「期待を持たせてしまったら、絶望も大きくなる・・・軽はずみに診るものではない!」
こそこそと話す二人をアゲハは見ていた。
「あんたたち、何こそこそ話しているんだい?」アゲハは聞いた。
「あ・・・いや。
その流行り病とは、どんな症状が?」弾は話しを変えた。
「顔にシミみたいな物がたくさん出来ているんだけど、苦しそうな咳もしているね」
「顔にシミ?」
「そう、真っ黒のシミ。それがこの流行り病に共通する事だよ」アゲハは淡々と答えた。
「シミ・・・そして咳・・・」弾は遠い目をして考え込んだ。
“もしかして・・・さっきの”
何やら弾の頭の中で、何かが繋がったらしい。
そして険しい顔となった。
「どん太郎さん・・・って言ったかな、主人は今どこに?」
「家で寝ているけど・・・」アゲハは“急にどうしたんだい?”と言った顔をした。
「急いで行こう!」弾は皆を急かした。
急遽アゲハの家へと行く事となった四人。
「ったく!何なんだよ!心変わり激しいやつ~」茶々丸は呆れた顔をした。




