2,真実ハ
そんな放課後が終わり、夕焼けが道路を照らす道。
その道を紅木と蒼音は二人並んで歩いていた。そろそろ、日は沈み始めるだろう。そんな時間に制服姿の人を見るのが珍しいのか、2人の髪色が珍しいのか、通行人は横を通る際にチラチラと2人を見て通っている。
紅葉の木から、ひらひらと舞っては落ちる葉っぱ。道には葉が多く広がっていた。まるで赤い絨毯のように。
その道を通るせいか、サクサクと枯れた葉を踏む音が音楽のように聞こえてくる。
「今日も終わったねぇ~」
くいっと上に伸びる紅木をよそに、蒼音は黒の革地のスクールバックを右肩に掛け直しながら、小さく息を吐く。
さっきのゴタゴタのせいで、担任の先生から絞られたのだ。それはため息を付きたくなるだろう。
「あぁ。だがまだ終わっていないがな」
「わかってるって」
紅木はにへっと蒼音に微笑み返すと、タタタッと小走りでやや蒼音より前に行き、後ろ向きで歩き出す。
蒼音はその姿に「危ない」などと言いながらも、口元は微笑んでいるのだった。
そんな他愛のない会話をしながらゆっくりと家に帰っていると、もう太陽はすっかり沈んでいた。
玄関先まで来ると、首元に下げている鍵を取りだし、紅木は開ける。
「ただいまーっ、掃除してたから遅くなったよー」
扉を開けると瞬間に、そう言い放った。
目の前の扉の向こうから「おぉ、お帰り。お疲れさん」と言うハスキーで低音な男性の声が返って来て、紅木は微笑んむ。
いつもは声の主が帰ってくるより、紅木のほうが早いので、言われることはなく、言うほうなのだが。
やはり、挨拶が返ってくるのはとても嬉しかった。
靴を脱いで、部屋までの階段を全力で駆け上がり、廊下を少し歩いて左に曲がったところの扉。
その扉を乱暴に勢いよく開け、スクールバックを部屋の中に放り投げると、またバタバタと下に降りて、声が聞こえたほうの扉に手を掛け、開けた。
そこはリビングだ。部屋の奥の方には、キッチンが見え、その近くにダイニングテーブルと椅子が向き合うように2つ置かれている。目の前にはソファーがL字型を逆にしたように置かれていて、長いところのソファーには新聞が見え隠れしている。
「父さん。ただいま」
紅木がその新聞が見え隠れしているところに向かって言うと、茶髪の寝癖付きの頭が除き、こちらを向く。
しばし寝ぼけた顔をしていたが、すぐに紅木だと分かると、ニカッと歯を見せ笑った
「おかえり、真蘭。階段は静かにな」
お久しぶりです。…ちょっとは情景描写は良いほうかな?w
実際、真蘭みたいな性格と、葉春みたいな性格が好きなんですよね。…まぁ、真蘭の女好きはおいといてw
好きになってもらえたら幸いですww