1/10
序章
私は溜息を吐いた。
「意味が分からない」
私は今、居間のテーブルに座っている。その向かいに座っているのは私の妹。妹を見れば、彼女は曖昧な笑みを浮かべる。
いや、妹と呼ぶべきではないのか?
「貴方は優乃じゃないってこと?」
「ここの世界の優乃さんではないですから……。そういうこと、になりますね」
――ああ。
私は右手を動かしてカップに入った紅茶を飲んだ。彼女も私に習うかの様に、カップに口を付ける。
宮乃さん、と不安げな声が私の名を呼んだ。妹とは違う愛らしさを持った顔が、物憂げな瞳でもって私を見る。
「安心してよ。別に、追い出したりしないから」
ありがとうございます。
私の言葉に、彼女は安心した様にはにかみ、お礼を言った。
「小説家になろう」で小説を書かせて頂くのは初めてですが、宜しくお願いします。
(訂正しました)