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第十二話 新たな力 石表皮って石なの?皮なの?

ナリムの腕に巻かれた布を、フィルカナが静かに締め直す。


「擦り傷だけなんて、運がいいわね」


「ルウが庇ってくれたお陰だよ」


ナリムはそう言って、横に立つルウの首元を軽く叩く。

ルウは鼻を鳴らすだけで、誇らしげに胸を張った。


少し離れた場所では、倒れた魔獣を前に、ラウネス、リオム、ガルドが並んで立っていた。


「なあ」


リオムが魔獣の石のような表皮を眺めながら言う。


「こいつの、この硬い表皮さ。武器に使えないかな?」


そう言って、尻尾の先を指差す。


「ここなんて切り離したら、そのまんまガルドの武器に出来るんじゃね?」


試すように、リオムは短剣を尻尾の付け根の隙間に差し込んだ。

ぐり、と力を込めて刃を回す。


鈍い音とともに、尻尾の先端が外れる。


「ほら!」


リオムはそれを掲げる。


「これなら使えるんじゃね?」


ラウネスは無言で頷いた。


その様子を見て、手当てを終えたナリムとフィルカナが近づいてくる。


「いいね」


ナリムが魔獣を見下ろしながら言う。


「その尻尾で他の部分を叩き割れば、短剣も作れるんじゃない?」


少し考えてから、続ける。


「ついでに、僕も短剣と……小さな盾でも作ろうかな」


足元に転がる、砕け散った木のよろいを指差す。


「木のよろいだけじゃ、やっぱり弱すぎるし」


「よし!」


リオムが勢いよく声を上げる。


「じゃあ全員分、作っちまおう!」


その声に応えるように、


どがん!


ガルドが大槌を振るう音が響いた。

石表皮が砕け、欠片が跳ねる。


リオムはその欠片を拾い上げ、ぶんぶんと振り回す。


「お〜強そ〜!」


無邪気に、はしゃぎ回る。


小さな欠片は先端の片側に蔦を巻き、薄く剥がれた箇所はナリムの腕に巻いて盾にした。

壊れた木のよろいは、再び集め直して蔦で巻いた。

短剣は、リオム、フィルカナ、ナリムがそれぞれ装備した。


その一方で、ラウネスは倒れた魔獣の肉を、じっと見つめていた。


フィルカナが、その視線に気づいて、ぼそりと聞く。


「……食べたいの?」


ラウネスは少し間を置いてから、小さく頷いた。


リオムたちが新しい武器にはしゃぎ、ラウネスが肉を見つめ続ける。


その様子を交互に眺めて、フィルカナは小さくため息をついた。


石表皮は、通常の石より軽くて丈夫なものになります。

ナリムの盾はバックラーのような小盾を片腕にツタで巻き付けました。

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