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小説とは即ち狂人の描く狂気の産物である

作者: 蜥蜴の尻尾

 敬愛する作家の方々がエッセイなるものを書いているので、底辺なる私も一つ思うものを書いてみようと思います。

 私自身は、なろうではなくノクタに棲息しておりますので、そのあたりはどうかご容赦ください。

 

 さて、狂人と狂気というものについて、昨今特に思うところがありキーボードを叩いているわけですが、一つ間違えると一発でアカウントBANされる恐怖と隣り合わせです。

 というのも、こいつは狂っている、あいつは狂っていると叫び始めるのは、明らかな名誉棄損です。Web小説家はIQが低いだのWeb小説は格安ファストフードだのと叫ぶよりも、よほど恐ろしいことになります。


 しかしながら、創作というのはそれそのものに一定の狂気が潜んでいるものだと私は愚考するのです。

 そもそも、狂人とは他人からほぼ全く理解されないまま、善悪如何を問わずに何かを成し遂げたもしくはやらかしてしまった人間を指し示すものと考えております。


 では、創作とは何ぞやとなると、その人個人の中にある「何か」を形にするという行為であると考えられます。現在においては、その「何か」というのは社会的・経済的・政治的なものに向けられることが「普通」とされ、文化的・宗教的なものに向けられる時点で理解されがたいように思えてなりません。


 書き物を投稿し読んで頂くという行いは、受け取る側に読むという過程を経させる必要があるもので、絵画・彫刻・漫画・音楽以上に敷居の高いものであると思われます。

 つまり、その敷居の高いものを要求するという時点で、何かしら普通ではないものを抱えていなければ成しえないものであると考えるのです。

 

 さて、その普通ではないものについて、段階というものもございます。

 読んで頂くだけで感謝を得られるのは、恐らくは最も程度の低い狂気であると考えております。もちろん、感想やご意見を頂けるのであれば、それに越したことはありません。それ以上の評価となれば、望外の気持ちにもなるでしょう。

 もっとも、程度の低い狂気で満足される創作家は、非常に少ないとも考えております。



 PV数が伸びない、評価が上がらない、お気に入りが増えない。

 選考に通らない。書籍化が遠い。私の方が面白い作品を書いているのに。

 テンプレの何が面白いのか。書籍化はテンプレばっかり。どこかで見た表題ばかり。

 努力よりテンプレの方が上なのか。オリジナリティは不要なのか。

 努力をして書いている自分が評価されないのに、それを真似たような作品が世に受けるのは一体どういうことなのか。

 そもそも、自分の努力が全く評価されない世の中がおかしいのではないか。

 その愚痴を吐き出して叩かれるのは、全てが間違っているのではないか。



 どうでしょう、だんだんと狂気じみて見えてくるのではないでしょうか。


 作者の人格といってしまえるのは、これらを経験したことのない人です。右手を120℃の蒸気で炙られたことのない人に、その痛みを訴えても通じません。ちなみに、滅茶苦茶痛いです。


 そんなことを考えずにひたすら書けばいいというのも、これまた狂気の域に達している人の格言です。普通の人は、そこまで書く前に大体筆を折ります。そこでさらに煽れば、溜め込まれるのは怨念です。ただし、常人が狂人を理解できないように、狂人もまた怨念を溜め込んだ常人(もはや狂人と称したくもなりますが)を理解することはありません。


 

 しかし、その狂気が間違っているものであるとは、私は全く思わないのです。

 狂気を失くしてしまった創作界隈を想像しますに、熱情も叫びも諦観も絶望も何一つ生まれない、心底つまらない「普通になった何か」に陥ってしまうでしょう。

 では、もし間違っているものがあるとすれば、その狂気が社会・経済・政治に対して一切の影響を及ぼさない所に吹き溜まってしまっていることではないかと考えてしまうのです。


 吹き溜まった狂気というのは、火を付ければ爆発するガソリンと何ら変わりのないものです。その結果、起こりうる最悪は創作界隈の皆様であればご存知のことだと思いますので、詳細に語ることは控えさせていただきます。


 最後になりますが、私個人としては、何とかして皆様が心の狂気を発奮させながら、創作者として大成なさることを願ってやみません。

 誰かに理解されなくてもいい。理解なんてそもそも求めていない。でも、自分はこれを書いたんだぞ、と、ただ晴れやかに叫べるようになればと願っております。


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