3話逃走
「アリス様、まだ仕事が残っております。脱走しないでください」
「脱走じゃない!いい匂いがしたから行っただけ!」
「それを脱走というのです」
聖堂についたら、少女と、メイド?の会話があった。久しぶりのほのぼの展開に疲れが癒えていく。
(意識が。。。もたねぇ。。)
バタッ
ここ最近色々ありすぎたせいか気絶したように寝てしまった。
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意識が覚醒したのは、夜になってからだった。体はまだ疲れているようで意識だけである。
《スキル》超俯瞰 を獲得しました
スキル?異世界だもんな。ん?俺が見てる。三人称になるってことか?ゲームみたいだな。あれ、声が聞こえる。
(アリスちゃん!!気持ちいいよ、!)
(よ,良かったです、、、)
俺は固まってしまった。そこには少女を犯す男の姿があった。しかも、少女は心から笑っていない。そのことがわかるほど酷い笑顔をしていた。そして、気づくと超俯瞰を解除していた。
(俺の体!!動け!!助けたいんだろ?動けよ!,,)
自分の体をどうにか動かそうとしたが、びくともしなかった。しかも、色々試したせいで、疲れて気絶してしまった。
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起き上がれるで回復したのは早朝だった。俺は高級そうなベッドに寝ていた。そして,隣に、椅子に座りながらベットに突っ伏す少女の姿があった。俺は、謝罪の意味も込めて、彼女の頭を撫でた。
「よく頑張った。助けてやれなくてごめんな、、、」
少女を撫でているとさっき争っていたメイドのような人が入ってきた。
「あ,おはようございます」
「やっと起きましたか。その様子だと、昨晩のことを知っているようですね。」
「はい。この子はどういう立場なのですか?」
メイドさんは表情を一瞬曇らせて俺の質問に答えてくれた。
話によると、この少女はアリスというらしい。彼女らは神らしい。神は世界の均衡を守るのが仕事らしい。また、神の中にも、最上位の創造神は、世界を生み出せるらしい。しかし、神にすら手を出せない領域があるらしく、そこには神超龍がいるらしい。地球はそこにあるものの中で唯一観測されてある世界らしい。
アリスは創造神の第二の娘であり、創造神位継承権がないので家柄の良いカウルという堕天使と婚約しているそう。そのカウルというやつは、道楽息子だそう。素行も悪く、家名を使い色々と悪さをしているとか。しかし,地位は高いため、アリスは逆らえないのだとか。
「だから、お願いがございます」
「はい」
「アリス様を連れて逃げてください。西に潰れた星社があります。そこに行ってください」
「神が崇めてるものがあるんですか?」
「実は神の上にベテルギウスという、全てを創造したと言われているものがあるのです。しかし、神の一派が都合が悪いと存在を隠蔽したのです」
「なるほど」
「この時間は起きている神が少ないです。もし起きても私が足止めしておきます。今のうちにアリス様を連れて行ってください!」
メイドさんはそのことを伝えると、アリスを持ち上げ、俺に渡してきた。俺はアリスを受け取ると、外に出て全力で西へと走った。
走りながら考えることは山ほどあった。
(本当にこんなことをしてもいいのか?俺は深くかからない方がいいのでは?いや、アリスを救えなかったのを恨んだのは俺だろう。もしあそこで付き合ってたらこんなことになってなかったのかもしれない。だから、救わなければ。人間の足で神の速さにかてるか?しらねぇよ!ただ今は走らねぇと。)
走り出してから30分ほどたっただろうか。後ろから叫び声が聞こえ始めた。
「アリスちゃんを返せ!」
声の主の威圧に日和ながらも、足を止めないことに全神経をつかった。
後ろから矢のようなものが飛んでくる。足に刺さる。バランスを崩す。倒れる。起き上がる。片足引きずりながら走る。もう片方の足に矢のようなものが刺さる。転ぶ。這う。
(なんで俺がこんな目に遭わなきゃならない!!てか、速すぎだろ本当に足止めしたのかよ。相手単騎だろ?しかもデブだぞ?裏切ったんじゃねぇよな!ふざけんなよあのクソメイド!!!!)
槍が飛んでくる。腕で庇う。腕が貫かれる
「ゔぁぁぁぁぁぁ!!!!」
(ふざけんな!!殺してやる!絶対!!ぜってぇアリスを渡さねぇ!!)
条件を達成しました。
称号 を獲得しました
《スキル》チュートリアル が覚醒しました。
《スキル》時間停止 鑑定 ステータス レベル を獲得しました
(うるせぇなぁ!!生死の瀬戸際なんだよ!!)
(体が、動かねぇ!!《スキル》超俯瞰!!)
俯瞰すると、時間が止まっていた。自分の体すら動かせない。俯瞰しているので視点は動かせるがそれ以外は何も動かない。まるでゲームの一時停止ボタンを押したような感覚だ。
目の前には這っていながらアリスを抱く俺がいて、その後ろに槍のようなものん持っているカウルがいる。正直、この状況を打開できる策は思いつかない。なので、とりあえず探索をすることにした。