第一話 始まりの物語
俺こと村井凪は新卒社会人である。彼女? そんなものいたことねぇよ! 大学はいったらできる? なわけねーだろ!! 自分から動けよ!! まあ、後悔しても仕方ない。
「先輩ー、結局何時まで飲んでたんすか?」
「4時!」
「二日酔い大丈夫なんすか?」
「そこはちゃんと計算してる!最悪ウ〇ンの力がある!」
「なるほど」
このひとは俺の先輩である田中さんだ。男だ。見た目はごついが意外と優しいのである。
「社長に付き合うのは大変ですね」
「お前も来ればよかったのに」
「まだお酒は飲めないんすよね」
「誰が付き合うのは大変だって~~~~」
この人はこの会社の社長の佐藤さんだ。かなり美人である。この会社はIT系企業であり社員はこの三人だ。
「佐藤先輩!?大丈夫ですか!?」
「二日酔いきちー。頭いてー」
「おいおい、飲む量くらいじぶんで調整しろよな。そこのソファーで寝てろ」
こんな平凡な楽しい日常をずっと過ごせれば。そんなことを思ってた。この時までは。
「なぎ、営業行こうぜ」
「はい」
そして俺と田中さんは取引先へと向かった。
「先輩って佐藤さんと付き合ってんですか」
「まだ付き合ってないぞ」
ーキャァァァァァァァァァァァー
そんな話をしていると後ろから悲鳴が聞こえた。俺は先輩と話しながら後ろを振り向いた。
「まだなんすかぁぁぁぁぁぁぁうぉ!!!」
気づいたら首元にナイフが突き立てられていた
「は?」
短い言葉が口から洩れた。
「なぎーーーーーー」
「動くんじゃねーーこいつの命が惜しくないのか!!!」
「おいお前何が目的だ!」
「お前にはかんけーねぇよ!!チッ警察が着やがった。こいつ殺したら時間稼ぎになるか?」
(は?こいつ今なんつった?)
抵抗しようとした瞬間首元にナイフの感触を覚えた。
プシャッ
残酷な音をでしながら首筋の血管裂け、血が出た。必死に抑ええるが手が血まみれになるばかりで血は止まらない。
「おい!大丈夫か!!!」
「せ、せんぱい。まだってなんですか」
なぜこのことが口から出たわからない。ただ止まらなかった。
「何言ってんだよ。それはいいだろ。誰か!!医者はいねーか!!」
(いるわけねーだろ。脳筋がよ)
「せんぱい。さいごに願いが。」
「最期じゃねーよ!」
「絶対幸せになってください。二人で」
(俺はいまどんな顔してんだろ。不気味に笑ってんのかな)
「あぁ!だからお前も死ぬな!」
「会社は絶対つぶさないでくださいね。あと絶対告って,,,くだ,,,さ,,,ぃ」
「なぎーーーー」
(どうなるか見届けたかったな。知りてー)
どんどん意識が遠のいていった。
≪スキル≫チュートリアル を獲得しました
「ガルゥゥゥゥゥ」
「うお!!!!」
まぶしさとオオカミのような鳴き声によって起きたおれは、森の中を絶賛逃走中である。なんたって起きたら目の前に口を開けるオオカミがいたのだから。ここがどこかなんてどうでもいい。いや、よくはないが今はそれどころじゃねー!
「足はっや!オオカミってイヌ科だもんなぁ!勝てるわけねーだろ!」
なぜまだ食われてないかって? 起きたとたんにドロップキックを食らわせてやったのさ!! 偶然じゃねぇし!!
「オオカミに勝てるわけねーだろ!!俺はインドア系なんだよ!!」
「ガルゥゥゥ!!」
ひたすら走っていると、前は岩だった。
「は?行き止まり?ふざけんなよ!」
行き止まりに追い詰められた俺は、よくアニメで見るような手を岩に貼り付け、怯えると言う形になっていた。
「ここで死ぬのか!あっち行きやがれ!」
「ガルゥゥゥ!!」
その瞬間、狼が襲ってきた。時間がゆっくり流れてる。死ぬのか。また。
(また?あれ、ここどこ?)
「そーだった!!俺死んだんじゃん!、、」
その言葉を遺言に俺は狼に喰われた。
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「なぎくん。なんで,,,,,,こんなことに,,,,,,」
「なぎ。あの約束ぜってー守って見せる!!」
葬式が終わった二人は俺の実家(長野)の縁側で泣いていた。
「約束って、なにしたの?」
「日本一の会社にしてくださいって」
[盛ったなー。さすが脳筋(?)]
「そうだったのね,,,,,,頑張りましょうね、慎吾さん」
[田中さんの名前初登場!!]
「はい、頑張りましょう。絶対みゆきさんを支えます」
[佐藤さんの名前初登場!!]
「ありがとう」
現世ではラブコメが始まろうとしていた。しかし、この話はまた今度(多分書かない)