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プロローグ

 今回初めて執筆活動をさせていただきました。桜淵です。

 もしも元の世界でチートみたいな存在だった人が、異世界転生させられた途端雑魚になったらどうなるんだろうと思い、この話を書きました。

 ですが、そんな構成もなんもない見切り発車だったため、なんか話が長くなっちゃいました(笑)

拙い文章ですが、楽しんで頂けたら幸いです。


 朝、目が覚める。

 季節は夏。うだる暑さのせいで気持ちのいい目覚めとはいかなかったが、いつまでも横になっているわけにはいかない。学校に遅刻をしてしまう。

 まだ寝たいとねだる体を無理やりに引きずり、一人で住むには大きすぎる家を移動する。

 そしてテレビをつけると、今日はこの夏一番の暑さになるとお天気お姉さんが微笑んでいた。

 軽く憂鬱な気分になりながらも朝食を取り、身支度を整えると玄関を出る。

 少しのんびりしすぎたみたいだな。このまま歩いていたら遅刻が確定してしまう。

 仕方なく俺は、この殺人的な暑さの中を急ぐことにした。

 背景は「こんな村嫌だ!」と発狂したくなるほどの田舎。見

 渡す限り田んぼしか見えないその緑の中を、俺は全力疾走で駆け抜ける。

 道中、小柄の老婆が体格に合わないくらいデカい荷物を抱えて佇んでいた。

 どうやら眼前にある階段を、どう登ろうか困り果てているみたいだ。

 確かに老体では、あの階段を登るのは中々厳しいだろう。重い荷物を抱えてなら尚更だ。

 そんなことを考えているうちに、俺と老婆の距離は縮まる。手を伸ばせば届く距離。

 ———だが俺はそのままスピードを落とすことなく、老婆の脇を駆け抜けた。

 助けないのかって? もちろん助ける気はない。

 理由は簡単・・・・・メリットが無いから———

 俺があの老婆を助けたところで、大した見返りがもらえるとは思えない。ならば遅刻のリスクを冒してまで手助けを行う必要はないだろう。

 ———それにそもそもの話、俺が他人のために動くことはないのだ。

 そして無駄な時間を浪費しなかったおかげか、なんとかバス停にたどり着く事ができた。

 時刻は7時前。帰宅部の者にはいささか早すぎる時間だが、田舎から都内に通っている者の宿命だと思って受け入れるしかない。

 やがて姿を現したバスに乗り込むと、俺は静かに目を閉じた。


 これが俺のいつもの朝。

 何も変わることのない平凡で、穏やかで、代り映えのない毎日。だがそれを退屈だと思うことはない。むしろ最高とも言える。

 何気ない直感——今日もいい日だ。

 

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