角が生えてて力も強いけど可愛いからセーフです。
角が生えていたとして、それはデメリットとなるだろうか。
いや、ならない。だって、角があるだけだから。
「いや全然寝づらいけど。」
…。
力が強かったとして、それはデメリットとなるだろうか!
いや!ならない!むしろ便利!
「お前もあだ名が『ゴリラ』になってみるか?」
「いやお前『鬼』じゃん!」
登校中、僕の隣を歩くこいつは…鬼だ。
「誰が性格が鬼よ!」
「いや誰も言ってな肩がああああ!」
いつもの日常は、常に体の一部をささげることで成り立っている。
「ううっ。最近は冷えるねえ。…そうだ。角って冷たい?」
「え?ああ、それは……きにしたことないわ。」
「触ってみていい?」
「別にいいけど。」
「え。」
「え。ってなによ。」
「いや、もっと嫌がるかと思ってたから。」
な、なに言ってんのよ!いいわけないでしょ!…とかな。
はぁ。さようなら僕の夢。
「何その夢…いや考えてもみなさいよ。角触られてどうなるってのよ。」
…言われてみれば確かに。
「んじゃあ早速。」
ほれ、さわさわ。
「…どうよ。」
さわさわさわ。
「…やっぱり冷たい?」
さわさわさわさわ。
「何とか言いなさいよ!」
さわさぐっはああああああ!
「あ…あばらが。って、違う。そんな軽率に角を触らせちゃあだめだぞ。」
「__っ!な、なんでよ。…別にあんた以外に触らせたりなんか」
「いや、めちゃめちゃ冷たすぎすかがっはああああああああ!」
「もういい!さっさと行くわよ!」
「ごめんごめん。だから引きずるのやめて。ねえ。聞いてる?ねえ!」
「はいはい。出荷出荷。ドナドナドナドナ。」
「助けてー!人食い鬼に殺されヴッ」
その日は、学校までが短く感じられた。
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