第9話 ???
久々の更新です。
町へと戻ってきた僕は、ギルドに向かい、妖怪蟒蛇どもを横目に依頼の達成報告をし、宿に戻ってきていた。そしてふと思う。
パーティー組みたい⋯⋯。
だって、あの魔物狩りなんて単調な作業、嫌になるよ!それが冒険者の仕事なんだから仕方ないけど⋯⋯。異世界に来たら、かわいいパーティーメンバーがいるのがテンプレじゃん!なんで、いきなり強い魔物と戦うとかそんなテンプレは守るくせに!今後に期待するしかないか。そう結論付け僕はふて寝するのだった。
一夜考え僕はとある結論にたどり着いた。
それは⋯⋯奴隷だ!
こういう異世界系では、かわいい奴隷がいるっていうのが定番で、きっと、パーティーメンバーになってくれる。そう思って、奴隷屋を探してみたけれど⋯⋯。
『現在新しい奴隷は入荷しておりません。次回のオークションをお待ちください』
とのことだ。冷静に考えてみれば、一つの村にそんなに多くの奴隷がいるわけがない。そんなに奴隷ができるほど犯罪者がいるならこんなに治安がいいわけがない。それに、周りにも奴隷を連れて歩いている人はいない。
そしてオークションなのかよ!お金は持っているほうだと思うが、さすがに今の所持金では貴族の人が参加していた場合心もとない⋯⋯。
もう依頼受けに行こう。そうしよう。
と先ほどまで思っていたのだが、僕は現在武器屋にいた。
「いらっしゃい⋯⋯」
店主はよくいそうな、無口なおじさんで剣の手入れをしている。僕がなぜ武器屋に来たのかだが、魔法だけだと心もとないというのもあるが、ダンジョンに行こうかと思うからだ。ダンジョンはモンスターが多く生息している場所で、罠などもある場所だ。そのため、剣を買ってMP切れに備えようというわけである。ほぼ無限に魔法を打てるとはいえ、メタル系のような魔法なんて効きませんみたいなやつらが出てきてしまったときのためである。
今考えたら、剣も杖も持たずに、Tシャツのような服で魔物を借りに向かう冒険者って異常ではないだろうか。まあ今からそろえればいいか。
そう思って僕は、剣を見ていくがなんだかこれといってしっくりくるものがない。仕方ないので、服を見ていく。やはりローブがいいだろうか。鎧は重すぎる気もするし⋯⋯。そう思ってローブを見ていく。黒や白のローブが多いみたいで、ほかの色は赤やら目立って仕方ない色のものばかりで一番目立たなさそうな黒のローブを手に取る。パーカーさえかぶらなければ問題ないだろう。パーカーて呼んでいいのか知らないけど⋯⋯。持ってみると意外と軽く肌触りもいい。布は多いが動きの邪魔にはならなそうだしいいかもしれない。これなら、ナイフを武器にしてもいいだろう。正直、剣よりもナイフのほうが、能力との相性的に良さそうだと思っていた。
そう思って僕はナイフのおいてある棚に足を向ける。ナイフは何本かセットのものと1本だけの高いものがある。それらを一つずつ手に取りレジ?に向かう。おそらく高いものは、ナイフを手に持って戦うとき用のもので、複数あるものは投擲用だろう。何本かのナイフを入れられるベルトらしきものがついているため間違ってはいないだろう。まあ、紛失用や装飾用かもしれないけど︙⋯。
そのまま、ナイフとローブを購入し、僕はギルドに向かった。
ギルドで僕はダンジョン探索の依頼を受けようとしたのだが、
「ダンジョン探索はパーティー限定の依頼です」
と言われてしまった。
「そうなんですか?」
「そりゃまあ、危険ですからね︙︙。ある程度経験を積んでから受ける冒険者が多いんですよ。それくらい経験を積むころにはパーティを組んでいることが多いですし、ソロの人でも、もう一人前と呼べるくらいにはなってますから始めの説明でもされないことが多いんですよ⋯⋯」
おそらくこの世界でダンジョンというのは畏怖の代名詞的な扱いになっているのだろう。初心者が挑むことはないとは言えないがほとんどの人が無謀と思っているのだろう。だから、説明されずともダンジョンに挑むことはない。ラノベにありがちな夢と希望の詰まった場所ではないのだろう。
まあだったらダンジョンに挑む必要はないな。昨日と同じくスライム狩りをしてもいいのだが、ここは別の依頼をしてみたいな。別の依頼だと薬草採取だろう。でも、知識が必要か⋯⋯。結局スライム狩りのほうがいいかぁ。そう思って僕はその場を去ろうとして⋯⋯。
「どうしても行きたいなら、パーティーを組んでいない人の場合ギルドのほうで紹介することができるんですがどうでしょう?まあ、その分お値段はかかりますがねぇ」
と受付嬢さんに声を掛けられるのだった。怪しい笑みが見えてますからね⋯⋯。
〈side???〉
「食事でーす」
その後、私は部屋に案内されて⋯⋯今食事に呼ばれた。なんで、私用の部屋があるのか気になりはしたけど、まあ空き部屋なんだろうと結論付けた。ただ⋯⋯周りはピンクやらかわいいものやらでこの部屋には女の子が来ると決まっていた?考えたって仕方ないのだけれど⋯⋯。そして私は部屋を出て食堂に向かう。
食堂は洋風といった感じで、長めの机が縦向きに置かれており、一番奥には少し豪華な椅子が一つある。私は、横列の一番後ろに座る。
「それでは、新たなメンバーに乾杯」
そう言って、黒衣の男がコップを掲げる。周りの人たちもコップを掲げ、
「乾杯!」
と声を上げる。これが普通?まあいいか。
「それではあれ持ってきてもらえるか?」
そう黒衣の男が声をかけると、どこからともなく、初老の執事のような男が水晶玉のようなものをもって現れた。そして私の目の前にその水晶玉を置く。なんで?
私が困惑していると、黒衣の男が、
「それを手で触ってみよ」
私に声をかける。言われた通り水晶玉に手で触れる。ていうか、口調変わってない?
瞬間、辺りに閃光が迸った。思わず目をつぶってしまう。そして目を開くと水晶玉には⋯⋯
『雪』
と書いてあった。
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