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第8話 水魔法

 翌朝、そこまでおいしくもない朝食を宿でいただきそのままギルドへ向かった。ワンチャン部屋にキッチンがないかと思ったけどそんなにうまくはいかなかったよ。今更なんだが、この世界の文明レベルは低いみたいだし、知識チート的なこともできるんじゃないだろうか?白熱電球はあるみたいだけど⋯⋯。

 そんなことを考えていると、いつの間にかギルドへとたどり着いていた。その中の様子は、昨日と同じで多くの冒険者らしき人たちが酒を片手に談笑している。もちろんギルド職員の方々も(おいっ!)。まあ、こんな様子だと、酔って絡まれない限りは新人いびりはなさそうだけど⋯⋯。あれ、酔った状態の新人いびりのほうが怖くない?能力の感覚もまだつかめてないし⋯⋯。

 そのことに気づいた僕は足早に、掲示板に向かう。ここに、様々な依頼が貼ってあるので冒険者はそこから選んで依頼を受ける。種類的には常設と臨時、特別があるらしい。

常設は文字通り、常に設置してある依頼で、主に素材採取や魔物討伐がある。この依頼は、持ってきた量に応じて何度も達成することができる。

 次に臨時、これは緊急の依頼で魔物退治の場合多くは場所が指定されている。報酬も高めだ。狙うとしたらこれと思われるかもしれないが、意外とその場所に行くのは面倒だし、数もなんだかんだ多くあるのでいつでも受けられる。結局、お金に困っている人がやることやや用事のある場所の場合についでにやってくることが多い。

 最後に特別だがこれはめったにない。例えば、町の存続の危機など、全精力で当たらないといけない依頼の場合に報酬はギルド持ちで貼り出される。

 あとは指名依頼だがこれはギルド職員が直接声をかけてくるため掲示板に貼り出されることはない。意味は名前の文字通りである。

 ちなみに説明は昨日の登録の際に聞いた。ちゃんと聞いている僕はえらい。多分⋯⋯。冒険者に対する偏見ではあるけど説明は聞かない人が多いんじゃないだろうか。違ったらすいませんね⋯⋯。ともかく、依頼の説明はこんな感じだな。とりあえず依頼受けるか⋯⋯。そう思って僕は掲示板の依頼を見始める。常設の依頼はいくつかあり、結構簡単な内容ばかりでおそらく小遣い程度なのだろう。ちなみに報酬は円で書かれてある。どいうこと?ま、スキル君が相変わらずの活躍ぶりらしいということで。もう困ったらスキル君が解決してくれるんじゃね。それはそれで助かるけど⋯⋯。

 ひとまず、臨時の依頼を見ていく。常設は、ついでに達成するということで。僕の冒険者ランクは現状Fなので一つ上のランクの依頼まで受けられ、F、Eの依頼が受けられる。まあ、そんなことは置いておいて、依頼を見ていく。ギルドの光景にそぐわない、ランク別に並べられている⋯⋯。仕事はまじめにやるのかな。いや、でもなぁ、受付に目を向ける。

 そこには、勤務中にもかかわらず、酒をあおる職員の姿がある。矛盾してない?なんだか、突っ込んでも仕方ない気がしてきた。そう思って、掲示板のほうに目を向ける。とりあえず、きれいに並んでいる依頼は無視して再度、依頼を見ていく。Fランクの依頼は少ないようで、採取の依頼がメインかな。あとは、虫退治?それは魔物なのだろうか。シロアリとかなら業者に頼んだほうがいいですよ。業者があるのかは知らないけど。ほんとにシロアリ依頼はないよね⋯⋯?見た感じ⋯⋯ないかな。あってもどうしようもないのだけど⋯⋯。

 Eランクになるとスライムや、ゴブリンの討伐依頼があらわれてくる。さらにランクを上げると、Bランクで例の獣があらわれた。Bランクでやっと中級者なんだろうか?最初から、あいつと戦った僕って⋯⋯。もしかしてミナってスパルタ?なんだか、別れてよかったと思った。それ以上一緒にいたらAランクになるまで特訓させられただろう。いや、まあ1日であの獣を倒せるようになったのだからそんな時間はかからないか。それか、僕に才能があるとか?s所の可能性のほうが高そうだな⋯⋯。と、いい加減依頼を受けよう。まあ、スライム討伐でいいかな。虫駆除とか、誰でもできるけど大変そうだし。ちなみに、討伐証明部位は特に取れないので、魔石を持ってくるだけらしい。

 そういうわけで、ギルドのカウンターに依頼を受けると報告し、スライムの目撃情報が多い(意外と開けたところならどこにでもいるらしい)ところにたどり着いた。情報を調べようかと、図鑑は見てみたけど村人でも武器があれば余裕で倒せると書いてあった。これは、冒険者のランクFはあくまで仮登録だと思っておいたほうがよさそうだと思った。

 視界に広がる景色にはあふれんばかりの緑とところどころに水色の何かが見える。それがおそらくスライムだろう。なんか液体と固体の境のような見た目をしている⋯⋯。気持ち悪いわけでもないが決してかわいくはない⋯⋯。例のRPG王道のスライムのような見た目だと心苦しいのでよかった。

 ひとまず、スライムに背後から近づき、火球を放つ。炎が晴れ残ったのは魔石のみ。このくらいなら全く問題なさそうだ。火力は抑えたほうがよさそうだ⋯⋯。残った黒焦げた地面を見ながら思った。

 ん?火の魔法を使わなければいいだけか⋯⋯。ふと思いついたのは水と風だが風はイメージしづらいので水の魔法をイメージする。ダメージに特化できそうなのは高圧洗浄機だろうか?それをイメージし、ほかのスライムに向けて魔力を操作していく。狭い隙間から強い力で水を押し出すように⋯⋯。

 瞬間、水が噴き出し、スライムを貫く。スライムは溶け魔石だけが残った。

⋯⋯魔法のほうが便利じゃね?って今更か⋯⋯。魔法で使った場合、使った側には衝撃がない、押し返されないためコントロールしやすい。元の世界に帰れたら魔法も一緒に連れて帰りたい。できたらいいな⋯⋯。

 その後も⋯⋯あれあの魔法名前なんだろ?まあ火球も自分でつけたし、自分でつけたらいいか。水鉄砲じゃダサいか⋯⋯まあいいや、水鉄砲で。仕切り直して、その後も、水鉄砲で何匹ものスライムを天に召して魔石はリュック(出発前に買っておいた)に入れて、町に帰還するのだった。


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