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第7話 冒険者登録

「あれ?そういえば僕は、冒険者登録したっけ?」


部屋を出た僕はふと思った。


「あ!思いっきり忘れてた。えっと、あそこの受付でできたと思うよ」


 なんで曖昧なんですか?上の看板に書いてあるから間違いないと思うけど⋯⋯ん?なんで読めるんだろう。見たことはない文字なのに⋯⋯この世界に来た時、お決まりの言語スキルを獲得したのかな?さすがに、ご都合主義過ぎない?

 そこで考えることをやめ、ミナに


「じゃあ、登録してくる」


と言って登録するために受付へと向かうと、受付嬢が


「冒険者の登録ですか?でしたら、こちらの紙に必要事項をお書きください」


そう言って、紙を渡される。


「文字が書けませんでしたら、代筆もできますよ」


文字が書けない人も多いんだろうか。まあ、僕は書くことはできるようだ。思ったよりも言語スキルが有能みたいだ。本当にスキルがあるのかは不明なのだが⋯⋯。

とりあえず、書き始める、名前ここは無難に『セツナ・スメラギ』でいいかな。一応ファンタジーっぽいカタカナで書いておく。続いて職業⋯⋯は〇をつける形式のようだ。多くの選択肢があるが、魔法使いに〇を付ける。その次はっと、犯罪歴の有無えーと、たぶんないはずだが⋯⋯。どうなんだろう。この世界で違法なことをもとの世界でしていた可能性もある。とはいっても、無だと思うのだが⋯⋯。むしろあってもらったら困る。この世界に時効のような制度はないと思うからな。そこまで考えて、無に〇をつける。その後も、様々な質問が繰り出されたが、そのすべてに答えた。

その後、ミナと一緒にそこの酒場で水を飲んだ。僕は酒豪ではないから、酒を水と例えるような真似はしない。


「なんか能力のすごさに驚いて忘れてたけどさ、あんたなんであんなに魔法連発できるわけ?能力もチートで魔法もチートって私たちAランクの立つ瀬がないよ。あっSランクは除くよ。あんな奴らと比べられたくもないし」


と言ってミナはため息をつく。一番上はSランクだったらしい⋯⋯。

 それよりも、だ。魔法の連発?確かにMPもとい魔力は1たりとも減っていなかったのは不自然だったが⋯⋯考えてもわからないか。


「異常なのか?」


 教えてミナ先生。⋯⋯ごめんなさい。やっぱり理解できないと思うからいいです。感覚派の気持ちはわかりません。


「異常だよ!まさか無自覚とはね⋯⋯能力は加速だっけ?」


 だっけ?ってなんで知らない風の言い方をするんだよ。見てたでしょ。能力覚醒?の時。


「ん~意味不明だよ。正直さっぱりだ。能力で回復速度を加速させているとか?でも運動エネルギーの加速だよなぁ」


 運動エネルギーの加速ってなんだ?運動エネルギーの増幅が正しいんじゃないだろうか。おい!言語スキル、何やってんだ。普通にミナの言い間違い説もあるけど⋯⋯。そもそも、科学が発達していないのだろうか。とも思ったが、上の電球に光がともっているためその考えは放棄した。フィラメントが光って見えるので間違いないだろう。LEDがない分、我らが地球の文明の勝ちである。早く戻らないと⋯⋯。思い入れはないんだけど。ないよね?悲しいなぁ。せめて彼女でもいれば⋯⋯。むなしくなってきたので思考はここで切ろう。そうしよう。


「まあ、異常なのはいつものことってことで」


 なんかひどくない?異世界物のテンプレートのチートを与えられてるのかな?めちゃくちゃありがたいのだが⋯⋯。

 その後も、水を飲み、お世辞にもおいしいとは言えないオムライスを食べ⋯⋯って酒場にオムライスめちゃくちゃ合わないな。レストランになら合うと思うのだが⋯⋯。ここまでファンタジーっぽかったのに惜しいなぁ。味は周りの様子を見るに、普通なのだろうか?だったら、僕は料理ができるキッチンが欲しいな。僕は一人暮らしだったために料理はできる。まさか異世界で料理技術が役に立つとは⋯⋯。そういえば、ミナが感覚派専用言語を使っていない。ちゃんと説明できるならしてよ。あの魔法説明はだめだよ!戦闘技術限定とか?それはそれで困らない?ミナに教えられる人、どんまい。

 酒場での食事のあと、ミナに宿まで送ってもらった。それとお金を⋯⋯ってことにはなりません。ちゃんとロックバードの素材代をある程度もらっています。ミナにもお金を返しましたよ。通行税。まあ、正面からは受け取ってくれなかったので、こっそりとバッグの中に入れておきました。数倍にして。犯罪みたいだけど、盗んではいないからセーフ。


「わざわざ、宿に泊まらなくても、今日くらいは私の家に泊めてあげるのに⋯⋯」


とミナは最後まで言っていたが、さすがに出会って間もない異性の家に泊まる気も勇気もない。

 というわけでミナとはここで別れた。その後、宿の中へ入っていく。ある程度説明を受けた後に、自分の部屋に向かった。部屋につくとそこには久々のベッドの姿があった。僕は飛び込みたい衝動を抑え鏡に近づく。小屋では鏡はなかったため、夜の窓に映った自分の姿を確認していたが、家の明かりは炎だったため、十分な光の差ができず、はっきりとは映っていなかった。18歳くらいだと思ったのは身長からだ。今の自分の体は、あの世界と同じなのか?それを知るために、今から鏡を見るわけだが⋯⋯。

「自分の体だったら意味わかんないよなぁ」

なんてつぶやいてしまった。周りに人はいないから聞かれても問題ないのだけど⋯⋯。まあ、そんなに考えても仕方がないので、鏡をのぞく⋯⋯。

 そこには、成長した僕の姿があった。


 なんでそうなんだよ!確かにフラグ的なことを考えたけどさぁ。僕の体じゃないとかだったら、まだ納得できたよ。でも、自分の体となると意味不明なんだよ!なんで成長しているんだよ!って話になるし。体格の似ている別人だと完全に思っていたよ。


「はぁ⋯⋯」


思わずため息が漏れる。異世界に来る際に時空がゆがんだとか?んな、ふざけたことがあるか!仮にあったとして、なんでこんな動きやすいような年齢にピンポイントでなれるんだよ!確率的には中年とか老人とか、赤子とかが普通だろ。いや、普通に考えたら、人間が時空のゆがみになんて入った存在自体が保たれないか?だぁーもう意味わかんねぇ。兎角、情報量が少なすぎる。なんでこんなに謎なことばかり残んだよ。異世界に来た時点で謎だし、仮に、別の人間の体でもなんで異世界転生してんだよ!ってなったかもしれないけどさぁ。もう考えても仕方がない。そう思って僕は、ベットに飛び込む。そしてそのまま僕の意識は落ちていくのだった。


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