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第67話 襲撃者

〈sideミナ〉


 そうして、私たちは侵入者に備えていた。私は愛用のレイピアを構えて待機する。

 そうして、数分が経った後に、侵入者が姿を現す。


「さて、本日この組織が私たちを襲撃するということでよろしいでしょうか?」


 そこに現れたのはあの扉を守っていた男だった。


「どこでその情報を知った?」


 私の隣にいる男がそう言った。両方、男だからこっちをボスと呼ぶことにする。

 それと、そこはとぼけようと試みる場面ではないだろうか。


「能力ですよ。予知のできるものがあるのでね」


 んー、予知の能力があるなら誤魔化すのは不可能か。


「それに『停滞者』の女性もこちらにいらっしゃるようで」


 私のことか⋯⋯。


「その『停滞者』とはなんだ?」


 ボスは情報を引き出そうとそう言葉を口にする。


「神に見放された人たちですよ。成長を失った人たち、という意味です」


 成長を失った?特に私は成長していないと感じた記憶は⋯⋯。

 いや、今までの経験で成長できそうな点が全く成長していないということがあったはずだ。それのことを指しているのだろうか。


「神、か」


「信用できませんか?まあ、いきなり神と言われても、信用されないですよね」


 男は言葉を続ける。


「ですが、『能力』がある時点で非科学的だ、なんて言ってられませんよ」


「なら、神がいるとしてどうしてその人間を見放したんだ?」


 ボスもまた質問を続けている。


「神見放したのは人間ではありません。世界です。管理しきれない世界を捨てた、ということです」


 男はその質問にそう答える。私が聞いた時は全く答えてくれなかったのに。


「なるほどな、『停滞者』っていうのは異世界人を指しているわけだ」


「その通りです」


「それは今回の襲撃に関係するのか?」


 ボスはそう質問を投げかける。


「あると言えばありますが、ほとんどないようなものです」


 男ははっきりとしない返答をする。


「そうか。ならば、お前の目的はなんだ?」


「そうですね。簡単に言うと増援を防ぐためでしょうか。流石に、大人数に襲撃されると困るので」


 増援を防ぐ。恐らく、男の組織は今日刹那が侵入する予定の組織だろう。そこに私が行くと困るということだろうか。例の予知能力とやらで見たのかもしれない。


「と、無駄話をしていてもよいのですが、数は減らしておきますね」


 男がそう言った瞬間、私たちの周りにいた人々は傷を負い始める。男はまるで瞬間移動するかのような速度で移動する。そして、特に相手を切りつけている様子は見られない。私と戦っていたときはこんな動きは見せていなかった。やはり、舐められていたのだろう。それにも拘らず、私は手も足も出なかった。

 私はすぐに臨戦体制に移行するが、突然横から衝撃を加えられ痛みが走る。それをこらえつつ、私は思考を巡らせる。まずは相手の能力を考えなければいけない。見る限りでは、刹那のような高速移動か、小雪ちゃんのような瞬間移動だけど、それだと以前私のナイフを止めたことに説明がつかない。だとすると何が考えられる?少し前に考えた『磁石』の能力という線はまずないだろう。刹那のような『速める』でもない。だとすると、『止める』だろうか。それが正しいなら最強に近い能力と言えるだろう。他にも、以前刹那の能力として予測した『速度』という説もあるか。速度をゼロにしたと考えればナイフを止めたことも説明できる。こちらでも、私たちの速度をゼロにしてしまえば『止める』能力である場合と同じで、能力は最強クラスだ。

 そうして、私とボス、そして敵である男以外の人間は倒れた。それは一分もたたぬ間の出来事だった。


「これだけ減らしておけば、外部に情報は伝わりませんね」


 人数を減らすことが狙いだったようで、男はそう呟く。


「どうして俺たちを残した?」


 ボスはそんな疑問を言葉にする。


「貴方は、単純にリーダーだからです。その『停滞者』は同情でしょうか?」


 こんな奴に同情されるようなことはないのだけど⋯⋯。そんなことを思いつつ私は警戒を続ける。


「同情ねえ⋯⋯。お前が同情することはないと思うが⋯⋯」


「それはもちろん『停滞者』だからですよ」


 『停滞者』だから。こいつも『停滞者』だということ?


「それだと、お前も異世界人ということか」


 私と同じことを思ったようでボスもそう言った。


「いえいえ。私が『停滞者』というわけではありませんよ」


 こいつが異世界人というわけではないようで、そんな返答を返す。


「同情しているのは力がないというところですよ。私も昔はそうでしたからね」


 私に力がないって馬鹿にしているのだろうか。まあ、手も足も出なかったことは事実だけど。


「そこまで能力に恵まれておいてか?」


 確かに、こちらの世界では能力が現れてから力が必要になったと聞いている。それだと、力のなかった時期はないと考えるのが普通。いや、能力を継承されるというパターンもあるんだったけ。それだと、力がなかったというのもおかしくはないのかもしれない。


「恵まれている、ですか。確かに、今の私は恵まれていますね」


 男は突然感慨深そうにそう呟いた。何か感動的な部分があっただろうか。


「いや、申し訳ありませんね。私は主より能力を与えられましてね。そして、私の能力は『時』と『止める』ですよ」


やっぱり戦闘描写ができないな⋯⋯。これって異世界書く上ではかなり致命的な気がする⋯⋯。

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