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第6話 報告

11月に入りました!!なのにまだ6話目です!!どうしましょう⋯⋯。

あの能力なら普通に作り出したほうが早いんじゃないだろうか。まあ、何か理由があるということで。


「これギルドになんて報告しよう?このことはどう考えても偉業になっちゃうだろうな~。目立つことは苦手なんだよな~。それに英雄なんて言われたらまた同じようなことをさせられるかもだし。こんなこともう一回やってみろとか無理な話だよなぁ。ん~隠蔽するしかないか。発見した時にはもう倒れていたってことで」


とんでもない言葉が聞こえてきた気がしたのだが気のせいだろうか。気のせいだってことで。


「じゃあ、このことは誰にも話しちゃいけないよ。やっぱりギルドにだけでいいか。こんなこと信じるとは思えないし。ということでよろしくね、刹那」


気のせいじゃなかった。

とはいえ、それほどの偉業ってことか。とんでもないことをしでかしちゃったんじゃない?ミナはそんなことは言いつつ解体を続けてるし。

しばらくして、解体を終えたミナがこちらへ走ってきた。


「はー刹那、あんたの能力すごすぎでしょ。妬ましいよ。加速させる能力?いや止められたことを考えると速度変化の能力かな?まあ、どちらにせよ最強クラスの能力じゃん。と、そんなことは置いといて」


置いとかないでください。本人はもっと混乱しています。


「取り分は八、二でいいかな?」


どっちがどっちだ?僕が二で合ってるよな?


「あっ、私が二ね」


そんなにいらないです。そんなに活躍してないです。


「いや僕が二でいい。そんなに活躍はしてない」


「いやいや!刹那がいなかったら私が死んでいた可能性があるからね!刹那の取り分が多くて当然だよ!」


「せめて三、七で、僕が三でいいだろ。」


「いや駄目だって!」


そんなやり取りが数分続き、結果、僕が七、ミナが三で、僕の二はミナが預かっておくということで落ち着いた。つまり取り分は僕のほうが多いが、実際は半々ということだ。


〈side???〉

 あの怪しさ満点の黒衣について歩くこと、2時間ほど。森の中にそぐわないような施設のような場所にたどり着いた。

というか、近くまで来ないと認識できなかった⋯⋯どういうこと?何らかの能力?考えてもよくわからない。危ない感じ。だけどこんな森の中じゃ逃げることもできない。


「あー帰ってきたんだね。計画の準備は僕のほうは順調だよ」


その施設内へ入ってすぐ誰かが話しかけてきた。その声の主へ顔を向ける。そこには、金髪なんだけどさわやかそうな青年がいた。服装は、施設にいるっぽい白衣をまとっていた。ん?そういえば、黒衣の男の顔って見ていないような気が⋯⋯

そう思って私は黒衣の男に顔を向ける。男の顔は、帽子をかぶっているとしても、暗すぎて、闇に包まれているよう。顔は見ることはできない。いや、認識を阻害されている?そんな能力なのだろうか。

単純に、明度を操る能力とかなのかもしれないか。そうなると、火球の説明がつかない。認識操作でも説明つかないか。どう考えても情報不足か。そう考えた私はそこで思考を止めるのだった。


〈side刹那〉

ロックバードの解体を終えた僕たちは、その素材?たちをミナがかばんに詰めた後、町へと向かっていた。ちなみに、ミナのかばんは異空間に収納することで、簡単な倉庫一つ分くらいは収納できるらしい。魔道具じゃないかと思ったが、異空間系の能力者か付与系の能力者が作ったもので魔道具ではないらしい。僕的にはあまり違いはないように思うのだが⋯⋯

町に戻ったミナはさっそく、ギルドへと向かった。関所で、通行料を要求されたがミナが払ってくれた。今後、返そうと思う。それはもう、数倍にして。

そして、ギルドにたどり着いたわけだが⋯⋯酒場なのかここは?まだ真昼なのにも関わらずほぼ全員がビールらしきものを持っている。持っていないのは受付にいる人と、未成年らしき人達のみ。確かに、ギルドと酒場はゲームとかでは、一体化してるよ。でもさ、ここまでくるとおかしいと思うのよ。まだ、冒険者だけが飲んでいるなら百歩譲って認めよう。でもね、ギルドの受付以外の人、手に持っているビール樽?見えてるからね。それで、仕事ちゃんとやっていけるの?そんなことを考えながらミナとともに受付へ向かっていく。


「あ!ミナさん。帰ってきたんですね。まだ続き⋯⋯って横の人は誰ですか!」


 受付嬢らしき人がミナに向かって声をかける。


「前に報告した森にいた人よ」


「拘束しておけって言われてませんでしたか?まあ、万一の事態になったとしてもミナさんなら大丈夫だと思いますが。ともあれ、その様子を見るに関係ない人だったようですね」


 それはそれでいいのだろうか。まあ、僕の気にするところではないか。


「とりあえず、報告するから、ギルド長を呼んでくれない?」


「はい、わかりました。少々お待ちください」


 そう言って受付嬢は奥へと向かっていった。こういうことは、ほかの人がやることではないだろうか。ほかの冒険者が来ることはなさそうだけど。

 しばらくして、先ほどの受付嬢が奥からやってきて


「ミナさんと、刹那さん裏で話をするのでこちらへ来てください」


と告げた。僕は名前を名乗った覚えはないのだが。まあミナが報告したのだろう。

 そんなことは置いといて、僕とミナはその受付嬢のもとへと向かう。そして受付嬢とともに受付横の扉へと向かう。

 そこには、筋肉だるまもといごついおっさんがいた。おそらく、ギルド長なのだろう。ギルド長は僕らに気づくと、


「とりあえず、今回、調査お疲れ。いろいろと聞きたいことはあるのだが、無事に帰ってきてくれてよかった」


 ギルド長は思ったより、いい人なのかもしれない。脳筋だと思ってました。すいません。


「はい。中級の森の調査の結果、ロックバードを発見しました」


そう言って、ミナはロックバードの魔石を取り出した。僕が倒した獣の魔石よりも大きく、30㎝くらいの大きさだ。倒されていたため、ギルド長は驚いたような顔を一瞬していたがすぐに、表情を戻して、続きを促す。


「発見した際にはもう死亡しており、それを解体したものがこの魔石です」


ここは予定通り嘘をつく。まあ、言っても信じてもらえないだろうが。


「そして、ロックバードのいた周辺では、魔力の残滓を感じました。わかっていることは以上です」


とミナは話を切った。正直、もう少し時間のかかるものかと思っていた。


「一つ質問いいかね。その魔力の残滓はどのような質だった?それだけで対象はかなり絞られるのだが」


対象というのは召喚魔法を使用したもののことだろう。だが、魔力の質とはなんだ?魔力は個人個人で違うらしいから、本人を特定できるようなものになると思うのだが、そうなると対象を絞るのではなく、特定という言い回しをするはずだ。


「申し訳ありません。報告し忘れておりました」


ロックバードと戦う以外の話だから、あまり記憶に残らなかったのだろうか?


「魔力の質はなぜか魔物に近いものだったと思います」


「魔物の魔力?ああいや、そういうことか。すまなかった。ここで話は終わろう」


ギルド長はそこで話を切った。ミナのほうを見るとなぜか、暗い顔をしていた。何かあったのだろうか。

その後、僕たちはその部屋を去ったのだった。

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