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第59話 言語

遅くなって申し訳ないです⋯⋯。そして、内容も少し薄いかもしれないです⋯⋯。

〈sideミナ〉


「さて、お前は帰る予定なのか?」


 そう聞かれて私は少し考える。戻って小雪ちゃんと話をしないといけないことは間違いない。だけど、あの男がまだ見張っている可能性が高い。ならば、確実に準備をしてから行くことが必要になるだろう。

 私はそれを男に伝える。


「なるほど。確かに小雪と連絡を取ることは必要だな」


 そう言って、男は少し考えた後に、


「分かった。こちらから人を分けよう。最高戦力は刹那なんだが、絶対行ってくれないよな⋯⋯」


と提案してきた。確かに刹那は小雪ちゃんを置いてきた可能性があるので、素直についてくれるとは思えない。


「とりあえず、俺はその処理をしてくる」


 そう言って男は去っていった。

 さて、残された私は何をしようか⋯⋯。特にできることもない。あの扉の守護者から受けたダメージも回復しきっていない。とりあえず、今は休んでおこう。

 そう思って私は目を閉じるのだった。



 翌日、私は目を覚ました。まだ若干体は痛むが、動けなくはない。私は起き上がる。

 しばらくして、朝食を持った女性がやってきた。私に持ってきたのだろう。部屋にキッチンもあるようなので、自分で作れることは作れるが、勝手にキッチンを使うわけにもいかなかったからまだ食べていなかった。


「あ、起きてましたか」


 女性は私にそんな声をかけてくる。刹那から聞いていた通り黒い髪をしていた。確かに小雪ちゃんみたいな真っ白な髪をした人っていうのは目立つだろうな、と思った。


「これ、朝食です。もし、口に合わなければそこのキッチンを使ってもいいって言ってました」


 そう言って女性は朝食を私のベッドの上にあるテーブルのような台の上に置く。

 おかゆなど消火によさそうなものがメインの料理だった。高級な胡椒がかけられているように見える。これだけで数万円の価値はあるだろう。円の単位はある程度刹那から聞いていた。


「これだけでかなりお金がかかったでしょ」


 私が女性にそう言うと、女性は首をかしげて不思議そうな顔をするだけだった。

 とりあえず、その料理に口をつけてみる。どの料理も食べやすい味付けで、よい材料が使われているのが分かる。胡椒らしきものも胡椒であっていたようだ。なおさら、この料理が高級なものであるように思える。

 私が、そんなことを考えていると、


「あ、胡椒のことですか」


思い出したかのように女性が言った。


「異世界では貴重なんですね。ここではそれほど希少ではないので、高くもないですよ」


 胡椒は同じ質量の金と同等の値段で取引されるようなものだ。それがこの世界では安いものだと⋯⋯。世界によって価値観が違うのだと実感させられる。


「にしても、異世界で胡椒が貴重って本当にそうなんですね」


 女性はそんなことを言っている。


「異世界についての情報がもともとあったの?」


 この世界では胡椒は安いのに、異世界は胡椒が貴重だと知っているのはおかしな話しだ。それに、そんな情報があるなら、私から情報を得る必要はない。


「ああ、物語の中での話ですよ。中世くらいの時代だと高い価値があったらしいですけど」


 女性はそう答えた。異世界を舞台にした物語があるのか⋯⋯。それはまあ、想像力が豊かな人がいたようで⋯⋯。

 それと、中世という時代?には胡椒は高値で取引されていたようだけど、ここまで軽く使えるようになるって、私の世界でもいつかそうなるのだろうか。まあ、なるとしても、私がこの世を去った後になるのだろうけど⋯⋯。


「にしても、ほんとに言語がラテン語なんですね。とても、忠実に再現された異世界のようですね」


 また言語の話か。私たちの言語がこの世界にもある。つまり、昔何らかの関わりがあったと考えるのが妥当か。ただ、それならそれで、もう少し庶民である私たちにも情報は入ってきそうなものだ。神話の時代の話になるのだろうか。それとも、この言語が異世界語だと伝えていなかっただけなのか。それとも、この地球の言語がこちらから来た言語なのか。結局情報不足で何も言えないな。


「そこに関しては私たち側にもわからないよ。情報が伝わってないから」


「そうですか。まあ、言語が通じてよかったと思うことにしましょう」


「それもそっか。言語が通じないなんてなると大変すぎるからね」


「そうです。私もこの言語を覚えてなかったら貴方と会話できなかったわけですから」


「この言語?」


 主流の言語は違うというような言い方である。


「一応、ここだと日本語っていう言語が使われてるんですよ。むしろ、私やマスター、刹那さんや小雪さんが少数派ですよ」


 こちらに来たのが刹那や小雪ちゃんじゃなかったら、言葉が通じない可能性があったのか⋯⋯。


「刹那さんは任務で必要だから覚えていたようですけど⋯⋯。それを聞いた小雪さんが一か月でマスターしたのは驚きましたよ」


 一か月で言語を覚えたって⋯⋯愛の力ってすごいね。にしても、小雪ちゃんが刹那のことを好きっていうのは共通認識なのかな。


「お、そろそろマスターが来るって言ってた時間ですね」


「マスターって?」


「昨日会ってた男性ですよ。この組織のトップでもあります」


 昨日の男ってそんなに立場の高い人だったのか⋯⋯。昨日の態度で失礼だったこと解かないかな。

 そんなことを思っていると、


「ああ、そこまで態度とかを気にする方じゃないので大丈夫ですよ。最低限の礼儀があれば特に気にされません」


態度に出ていたのか女性がそう言った。

 少し私は安心して、少し姿勢を正しておくのだった。そんな姿を見て女性が少し笑っていた。


タイトルが思いつきませんでした。すいません。

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