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第48話 刹那 過去8

〈side刹那―過去―〉


 その後、僕らは残りの一部屋に向かっていた。この部屋は広さ的には会議室だと思われる。情報は会議室に置かれているのか、資料室にあるのかは分からなかった。どちらを探すかと考えて、確率の高そうな資料室を探すことにした。どちらもセキュリティは堅そうなので見つけたほうを優先するとなると時間がかかりかねないと考えたためだ。


「⋯⋯じゃあ、行く」


 小雪は僕にそう声をかけて、その扉を開ける。ドアを開けると罠が発動するとかはないのは確認済みだ。

 そこは、広い机と椅子があるのみで特に何かがありそうな雰囲気ではない。

 ただ、小雪は何やらあたりを見渡して、首をかしげている。情報があると思っていたのだろうか?


「⋯⋯若干狭い?」


 ふと、小雪はそう呟いた。


「どういうことだ?」


「⋯⋯ん、と、外から見た広さと違うような気がする」


 この部屋にとってある間取りと比べて、実際の部屋が小さいということだろうか?

 小雪は壁のほうへと近づいていき、そこをこんこんと叩く。


「ん。この先が空洞」


 反響具合で確認したのだろう。そう呟いた。

 僕も、その壁のほうへと近づいて、観察してみる。

 小雪はその辺りをうろうろとした後に、壁に手をかけ、瞬間、そこに扉が現れた。


「⋯⋯本当にあった」


 小雪は驚いたように呟く。分かってしたんじゃないのか⋯⋯。


「多分、能力で隠されてた」


 十中八九そうだろう。壁が突然扉になるとは考えにくい。後、小雪は能力で壁に見えるようになる前に戻したのだろう。僕だけだったら、壊すしかないだろうな。いや、そもそもこの空洞を見つけられないか⋯⋯。


「⋯⋯とりあえず、今の部屋を調べてから行く」


 場所的に考えると、会議結果を保管している場所と考えるのが妥当だろう。そう考えると、会議室を先に調べるほうが優先か⋯⋯。そう考え、僕らは探索を開始した。


 しばらくして、僕らは会議室を調べ終えた。特に重要なものは見つからなかった。ここに関わっている組織くらいはわかるかと思っていたんだけどな。

 そして、次はあの扉の先を探索することになった。

 扉を開けると、そこは人がやっと一人通れるくらいの隙間しかない空間があった。1メートルもないくらいだろうか。この誤差を気付く小雪はおかしいと思う。

 その空間には梯子が掛けてあり、地下へと続いている。梯子になにもないことを確認して、僕らはその下へと降りていく。小雪は先行だ。

 地下に降りる。地下室は想像以上に広く、いくつもの厳重なケースがあった。ここに、重機を持ち込んで作ったとは考えにくいため、恐らく能力を使用して作られた空間なのだろう。

 僕らはそのケースの中を確認していく。大体は契約書となっている。それらを僕らは写真に撮っていく。現状、この部屋に僕らが入ったという証拠はないのでできる限り、元のまま維持したい。

 しばらく、そうやって、情報を回収していたが、僕は一つの契約書を見つけた。それは僕に関わりあるもの、つまり僕の両親を殺したあの火事についての書類だった。殺害対象は僕の両親の名がある。そもそも僕はたまたま生き残ったのではなく、狙われてなかったのだろうか。なんて考えが浮かぶがすぐに意識をその書類に向ける。殺害の方法で、『燃やす』能力を使うと書かれてある。つまり、『燃やす』能力者が僕の復讐対象ということだ。もちろんこの契約を交わした組織も対象だが⋯⋯。

 僕の手が止まっていることに気付いたのだろう。小雪もこちらにとことことやってきて、僕の見ている契約書に目を向けるが、その内容を見て僕にどう接すればいいのか分からなくなったのかおろおろとしだした。何か声をかけようとしているが思い浮かばないといった様子だ。

 その様子に僕は気付くこともなくそのまま、書類を読み進めていく。しかし、その先の文章では特に何か新しい情報や復讐に使えそうな情報もなかった。ご丁寧なことに契約した組織名は塗りつぶされている。僕はその書類を写真に撮り、元の位置に戻す。写真の保存先を変更した後に、次の書類に手を出した。小雪も完全に声をかけるタイミングを見失い、自分の作業へと戻るのだった。




〈神話2〉


 それからしばらくして、創造の神は新たな世界を創造した。しかし、その世界は世界とは呼べなかった。作った状態のまま停止していた。また、その頃には初めの世界も停止していた。

 それを憂いた辟。(破壊)の神は謨」繧頑淵繧(散り散り)になった変化の権能を、再度形にしようとした。だが、辟。(破壊)の神もまた権能を失っていたため、螳悟?(完全)に戻すことは不可能であった。しかし、それしか手段がなかったためか、完全ではない権能を生み出した。そして、創造の神に悟られぬよう隠蔽を施した。そして、少しずつその世界は逋コ驕(発達)していった。そうして、この世界は生まれた。

 やはり、蜑オ騾?(創造)の神はそれを認めることはなかった。だが、権能が完全ではないとはいえ神の一柱であった辟。(破壊)の神の施した隠蔽を解くことはできなかった。

 そこで創造の神はその権能を抑えるための力を生み出した。しかし、そのころにはもう謨ー蜊?ケエ(数千年)が過ぎていた。そして、世界のすべてに縺昴?蜉(その力)をばらまいた。


会話がないと窮屈感が否めないな⋯⋯。

そして、次回で過去は終わりになるはずです。多分(初めは3話くらいで終わると思ってた)。

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