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第45話 刹那 過去5

本当に更新が開いてしまって申し訳ない⋯⋯。

後、短編は失踪し、仮に書けても投稿はしないかも⋯⋯。

〈side刹那―過去―〉


 結局、僕は新人教育を受け入れることになった。僕が担当するのが、透明な髪の無口な少女、小雪だった。透明な髪というところで、偏見もなく受け入れられる人が少ないだろうとのことで、担当を僕にしたという配慮だった。

 実際、気にしないという人はいても、どこかしらで気にかけてしまうだろう。それに対して、僕は悪い言い方をすれば、自分のことしか考えていないだろうと考えられたみたいで、担当者として向いているとのことだった。

 その通りなので反論もない。

 そして、僕は訓練を開始する。あまり話をするのは得意でもないし、実戦形式で訓練していったほうがいいだろう。それに僕も実戦形式なら訓練時間を無駄にすることはない。

 能力は確か『戻す』だと聞いている。ある程度の話を聞いておく。

 何ができるかというと、単純に壊れたものを直すことから、傷も治せる。そして、自分の状態も戻せるらしい。自分の状態というのは疲労や病気だ。恐らく、毒を飲んだとしても戻せるだろう。

 どう生かさるのかを考えると、まず、体力を戻せるというのは無限に能力の使用が可能で、傷も戻せば完治する。死んだ虫は蘇生できなかったので、蘇生は不可と⋯⋯。まあでも、十分だ。無限に戦えるとなるだけでも十分に強いだろう。拘束するのも、戻せば破壊可能なので不可能に近い。

 問題は戦闘力か⋯⋯。身体能力は一般人並みで、むしろ低いくらいだろう。環境が環境なだけに仕方ないことだが⋯⋯。僕がやれるのは戦闘技術の指導くらいか⋯⋯。いや、能力を戦闘に利用できないか?位置を戻して疑似的な瞬間移動も可能そうだが⋯⋯。

 それを聞いてみると、試したことはないらしいので試させてみる。結果、成功。もちろん石などを移動させ、と段階的に実験したのだが⋯⋯。そうなると、能力を利用した戦闘をメインに指導していくべきか⋯⋯。そう考えた僕は、アドバイスを与えながら、特訓を始めたのだった。

 僕の『速める』能力とは移動系という点が共通のため、僕としても指導しやすかった。



 数日が過ぎた。その頃には小雪は、この組織では僕の次くらいの戦闘能力を得た。威力のある攻撃はないが、そんなに頑丈な人間がいるわけでもないし、仮にいたとして能力者だろう。能力者が相手となると、他のメンバーもつくことになるだろうから、あまり関係はない。

 後、必要になるものは経験だ。実際の戦闘では殺し合いになるわけで、それに慣れていないというのは問題だ。そうなると⋯⋯

 僕の任務に同行させるしかなくなるよな⋯⋯。正直、気乗りはしない。別に、小雪が女だからとか小さいからではなく、僕だけのほうが効率がよいためだ。とはいえ、新人教育を任されたのは僕だ。連れていくしかないわけで。

 そうして、僕はボスの部屋にやってきていた。


「⋯⋯ん?どうした。教育係から降りたいという話なら受け入れられないぞ」


 僕を見るなりそんなことを言われる。失礼ではないだろうか?それを口に出そうとは思わないが。


「いや、そろそろ小雪に経験を積ませたくてな」


 今考えれば、組織のボスに対してため口というのはどうなのだろうか?今更、直そうとは思わないが⋯⋯。


「なるほど。それで、いい依頼がないか見繕えと⋯⋯」


 ボスは、そう返しながら、机の上の書類に目を通していく。


「俺に持ってくる話じゃねぇだろ。⋯⋯とりあえず、今はどのくらいの強さだ?」


 悪態をつきながらも、依頼の選定はやってくれるようで、そんな言葉が返ってくる。


「⋯⋯この組織で僕の次くらいだ」


 小雪の才能には目を見張るものがあり、このままいくと僕並には強くなるかもしれない。


「ほぉ、それは逸材だな。で、どんな経験を積ませたいんだ?」


 依頼自体の流れを学ばせるという面では雑用系の依頼がいいのだろうが、僕が何も得るものがないため却下だ。つまり、戦闘が起こるものや、侵入任務がいい。それを、経験を積むという体で話さなければいけない。結局のところ、僕は自分勝手なのだ。

 少し思案したのちに僕はこう言葉を返す。


「⋯⋯人殺しの経験を」


 僕に匹敵する戦闘能力があるのならば、それを生かすうえで人を殺すことは確実にある。


「⋯⋯それに耐えられる精神力があるのか?」


「さぁな」


 僕がそう返すと、


「⋯⋯人を殺して精神が壊れた奴が大勢いるのは知っているだろう?そうなってもいいのか?」


「別に僕には関係ないだろう?」


 そう返すと、ボスはわかったとだけ告げて、僕を退出させた。人を殺す機会のある任務なんてのはそうそうないので、来るまで待てということだろう。そう考えた僕はその場を後にした。




〈sideボス〉



「はぁ⋯⋯」


 俺は思わずため息をつく。小雪という少女の育成は順調のようだが、まさか人殺しの依頼を要求されるとはな⋯⋯。

 小雪にはそれに耐えられるだけの精神力はあるだろうか?それに対しては「さぁな」と返されたが、俺はあると感じている。前に面接をした時の感想だ。善悪の区別もつくだろうし、判断力もある。そして、救いようのないような人間もいると知っている。こんな言い方をするとよくないかもしれないが、今までの環境が人殺しをしていくうえで向いていたのだ。

 そもそも、刹那は自身も自覚はないだろうが、本当に出来ないであろうことはさせようとはしない。おそらく今回も、自分のためだとか心の中では思っていただろう。根は優しいのだ。

 ただ、一つ、その対象に自分は含まれていないのだ。


語彙力のなさを痛感する今日この頃⋯⋯。

後、22話との齟齬があるかもしれない⋯⋯。この場合は恐らく伏線じゃないです⋯⋯。


44話と同様にタイトル変更⋯⋯。

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