表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/101

第44話 刹那 過去4

〈sideボス〉


 次に入ってきた奴は、なかなかに特徴的な見た目をしていた。日本人はやはり、黒髪が多いが、その子は真っ白というか透明で、それだけで浮いていた。その見た目から、人から避けられてきたのかもしれない。ただ雰囲気は物静かな少女といった感じだ。塞ぎ込んでしまったのかもしれないが、言い方は悪いが、これはこれで好都合。

 刹那につける相手の候補になる。支えられる存在というのは必要だがいないのであれば、支え合える相手というのもありだろう。話をしてみた限りだと、確かに優しい少女で自身を前には押し出してこないが、確実に自分で考えている。刹那との関係も対等に築けるだろう。刹那のことを考えるとしんどい面もあるだろうが、刹那が間違った方向に進むのを止めてもらえる可能性もある。いや、そうして欲しいのだが⋯⋯。

 問題があるとしたら、立ち直れるかという点だろう。見ている限り、感情を表に出さまいとしているというか、感じないようにしているというか⋯⋯。今まで何をされてきたのかまでは詳しく分からないが、他と比べても過剰に怯えていたのだろう。少し、調べてみたほうがいいかもしれないな⋯⋯。

 その後も面接を行ったのだが、透明な髪の少女、小雪だったか、くらいしか刹那につけて良さそうな相手がいなかった。歳が離れすぎているのは駄目。刹那に付き従いそうな奴も駄目となると、小雪しかいなかった。純粋な少女でもあったから、毒されないことを祈りたい。

 後は、『戻す』能力だったか。あれは異質だ。そもそも、生命力、基本的には体力だが、それを消費して発動するのが能力だ。それを打ち消せる能力となるとおかしい。本人は気づいていないようだが、これは少し調べておいたほうがいいだろう。透明な髪との関係もあるかもしれない。そもそも、アルビノでもないのに透明な髪色というのもおかしな話だ。体に異常はないというし、いろいろと異質な少女なのだ。彼女は。そんな奴を刹那につけるかと言われるかもしれないが、相手がいない以上仕方ない。それに、刹那自体も異質だった。組織に狙われるような家庭に生まれ、優れた能力に目覚めた。ある意味お似合いだろう。俺はそう結論付けて、その場を去るのだった。




〈side刹那―過去―〉


 僕は今日もまた組織に向かっていた。今日は昨日、救出した人たちの面接があるそうで朝は組織内を使えないらしい。もう少し広ければ使える場所もできるかもしれないが、そこまでの土地はない。今の世界には必要不可欠な組織なのに広さが少ないのは不思議だよな。

 ちなみに僕は今日、休みにしてもよいと言われたが訓練をしないわけにもいかないし、そんな余裕もない。そんなことを考えていると到着。そのまま、奥へと入り訓練場へと足を運ぶ。一見、運動場のような広い空間ではあるが、手の内をさらさないためかセキュリティーは万全で、中に入ることも困難であり、能力者が関わっていると思うが、外部からは一つの建造物があるように見える。


「おっ、来たか。お前をボスが呼んでたぞ」


 来て早々、名も知らぬメンバーにそう声をかけられた。僕自身、他のメンバーの名前なんてほとんど知らないのだが⋯⋯。


「あぁ。分かった」


 僕はそう答えて、本部の方へと足を向ける。僕は無愛想な奴だと思われているようで、この態度についてはとやかく言われることはない。

 ボスの部屋の前にたどり着き、ノックをする。ここまですんなりボスの部屋にたどり着けるのは、僕らトップに与えられた特権だ。

 返事を受けた後に、僕はドアを開く。そこには、ボスと昨日の救助者の中にいた透明な髪色の少女がいた。取り込み中だったのかと考えるが、返事を確認したしそんなわけがない。つまり、僕とあの少女に関係のある話ということだろうか。


「何をしてるんだ?早く来い」


 立ち止まって思案していた僕をボスをせかす。なので、僕は思考を中断してボスの前へと移動する。


「で、話というのはな、お前に新人教育をしてもらいたい」


 あぁ、つまり僕に担当してほしいのがあの少女というわけだな。ただ、僕は訓練ばかりしていて教えるなんて芸当はほとんどできないという体で拒否していたはずだが⋯⋯。


「お前だけ色々と特例を認めているのだから、これくらいはしてもらいたい」


 それを言われたら、反論はできない。実際、かなりの義務を免除してもらっている。ボスの性格的にはないとは思うが、このまま、少しずつ免除をなくしていくつもりなのだろうか?それは、訓練の時間がほとんど取れなくなるので勘弁してもらいたいのだが⋯⋯。そんな僕の思考を読んだのか、


「別にすべての特例を撤回しようというわけではない。だから、安心してほしい」


とボスは言ってきた。

 すべて、ということは他にも撤回するつもりはあるということだろうか?実際、ここまでの特例というのは異常なことだ。何としてでも僕に組織に残ってはいてほしいということだろう。まあでも、僕が出ていくようなほどにはしないだろう。僕はそう考えて、了承することにした。

 その後に、ツーマンセルの義務まで課されるとは思ってもいなかったんだが⋯⋯。


次は少し遅れそう⋯⋯。

タイトルを変更しました⋯⋯。途中で変わってた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ