表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/101

第29話 買い物

 翌日、僕らはギルドに報告しに来ていた。


「二人とも、ありがとな。ミナの顔つきも戻ってたしな」


「ん。別にいい」


 小雪が積極的に取り組んでいたしな。僕に答える資格はない。


「報酬の話だな。まあ、そこまで渡すことはできねぇんだが、金貨3枚でどうだ?」


 300万か⋯⋯。多くない!?

 金銭感覚がまだ狂ってないことをこんなことで実感するとは⋯⋯。

 ちなみに小雪はわかっていないようで、首をかしげている。


「足りねぇか⋯⋯。じゃあ、金貨4枚でどうだ!」


 なんか増えた⋯⋯。

 僕は何とか言葉を紡ぎだす。


「多くないですか?」


「いやいや、Aランク冒険者だぞ!国に十数人いたらいいほうだぞ。そんな人材が戻ってきたんだ」


「は、はぁ」


「まあ、妥当な金額、というか足りねぇくらいだ」


「はい⋯⋯。じゃあそれで」


 このまま、余計なことを話しているとさらに増えるような気がする。



 そして、僕らは、また宿に戻っていた。ちなみに、今日の依頼は休みだ。


「それ、いくらくらい?」


 小雪に質問される。金貨なんて見る機会ないか。


「大体、1枚で串焼き1万本くらいだ」


 そう答えると、白い眼を向けられる。


「いいたとえ、ない?」


 分かりにくいか?分かりにくいのか⋯⋯。

 じゃあ、買い物に行くか。


「じゃあ、なんか買いに行くか」


「お釣りに困る⋯⋯」


 呆れたように、そうつぶやく小雪。


「だったら、両替してから行くか⋯⋯」


 もう、金貨の価値の確認とかどうでもよくなってる。


「ん」


 小雪はそう言って、準備しようとして、


「あっ⋯⋯」


 用意するものもないことに気づいて、恥ずかしそうにうつむく。

 まあ、僕も用意するものはないけどな。強いていうなら、魔法袋くらいか⋯⋯。後、お金。


「さてと、じゃあ行こうか」


「ん」


 元の状態に戻った小雪は僕についてくる。



「で、どこ行く?」


 意気揚々と出てきたはいいけど、特に目的地は決めていなかった。小雪は特に答えない。

 その姿を見て、服を買おうか⋯⋯と思った。


「とりあえず、服屋に行くか」


「長いよ?」


 なんて、言う小雪に、この世界でも女性の買い物は長いんだなと思った。



 そして、僕らは服屋にやってきていた。


「さて、どれがいい?」


 そう聞くと、小雪はささっと服屋の奥へと向かった。

 あたりを、見渡してみると、なんだか厨二っぽいような衣装や、耳付きのパーカー、用途不明なくらいのポケットのついたコートなど、特殊なものが多々ある。

 しばらく、僕があたりを眺めていると、


「これ」


と言って、小雪が服を差し出してきた。

 それは、シンプルな無地のTシャツと少し深めのパーカーのついたコートだった。探せば、日本にもありそうだな。っていうか、もうちょっと可愛いものを選ぶんじゃないのね⋯⋯。偏見なんだけど、女子はかわいい服を選ぶというイメージがある。まあ、いいか。


「分かった。これだけでいいか?」


「ん」


 案外早く、終わったなと感じた。

 そして、僕はレジに、向かおうとして、


「じゃあ、次は刹那の番」


 そうして、僕の服選びが始まった。僕としては無難な服を選んだつもりなのだが、小雪からダメ出しが飛んでくる飛んでくる。自分の服はあんなに早く決めたのに、僕の服選びに時間がかかるんだなと思った。


「はぁ」


 ため息が出るほど試着は続き、僕は実感した。結局、女子の服選びには時間がかかると⋯⋯。



 そして、僕らは服選びを終えた。午前中に出かけていたはずなのに、気づけば、日は真上にまで来ていた。赤道直下なんだろうか?でも、そこまで暑くないな。この世界の太陽は、日が弱いのだろう。

 まあ、今はとりあえず食事だな。ちょうど、昼時ってことで、


「なんか食べたいものはあるか?」


「なんでも⋯⋯」


 会話が終了した。僕は困った。やっぱり、何でもが一番困る。

 そして、結局、近くにあった店に入ることにした。


「いらっしゃいませ!」


 売り子の少女がそう挨拶し、僕らは席へと案内された。僕らは席へとつく。そして、注文していく。僕は、肉のステーキみたいなもの。小雪はスープにサラダ、パンとなんだか体によさそうなセットを頼んだ。売り子の少女は、それに少し驚いた様子だ。


「どうかしました?」


 僕がそう尋ねると、


「奴隷がそんな注文をすることが珍しくて⋯⋯はっ!」


 つい、口に出てしまったらしい。申し訳ございませんでしたと謝っている。別に大丈夫ですよと僕が答えると、謝りつつ、注文を伝えに奥へと去って行った。

 奴隷の扱いはそんな感じなのか⋯⋯。まあ、食事を与えないことはないということはさっきのセリフからわかる。立派な労働力だからな。人権はないし絶対服従と言っても、ほとんどの人間は変えの利く道具としては扱わないんだろう。とはいえ、格差はあるみたいだが⋯⋯。


「お待たせしました~」


 そう言って、テーブルに料理が置かれる。


「「いただきます」」


 そう言って、僕らは料理を食べ始める。

 まずくはないがおいしくもないといった感じの料理で、やっぱり地球の料理のほうがおいしいなと感じる。いつか、家でも買って自分で料理しようかな。調味料があるのかは不安だが⋯⋯。

 そして、食事の終わった僕らは特にすることもないので宿に戻るのだった。


 誠に申し訳ないのですが、2週間ほど更新ができないかもしれません。テスト勉強をしたいので。休憩で書くことはあるかもしれませんが、おそらく更新はできなさそうです⋯⋯。一応、休憩時間でも書けたら更新はします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ