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第10話 ダンジョン&パーティー

 さて⋯⋯パーティを組んでもらうか、一人で依頼をするか。ここは、パーティを体験してみるのがいいか。そう思った僕は、


「おいくらですか?」


と告げた。さすがに値段が高ければ受けないからね!


「銀貨2枚でございまーす」


大体2000円くらいである。この世界でそれは高いのかはよくわからないが、おそらく安いだろう。命が助かる可能性が高まるのだ。この世界では命の価値が低い可能性があるが⋯⋯。


「じゃあ、よろしくお願いします」


「はい。それでは、ギルドカードをお出しください」


 そういわれて僕はギルドカードを差し出す。


「では、確認しますので少々お待ちください」


 受付嬢の方が、何かの機械を操作すること数秒⋯⋯


「はい。これで、パーティの方は見つかると思うので、明日、7時ごろにいらしてください」


 そう言って、僕にギルドカードを差し出す。それを受け取って、僕は昨日と同じようにスライム狩りに向かうのだった。


 スライムを狩り続けること数分、僕は、ほかの属性の魔法も練習できるんじゃないのかと思った。さっそく僕は行動に移した。

 まず、雷魔法。これは、電気を流せる程度で、せいぜい、乾電池2、3個分程度だろう。

 続いて、風魔法は、空気の流れを考えれば不可能ではない。しかし、あくまで突風が吹きつけるだけで、風で殺すことはできない。火を拡散させる程度ならできるかもだが⋯⋯。

 最後に、創造魔法。まあ、純粋な物質なら可能であり、条件は水ならH2Oっていうことを知っているから、空気は酸素がO2、窒素がN2、二酸化炭素がCO2、アルゴンがAr、そしてその割合が分かれば可能だ。つまるところ、この世界ではほぼできる人がいないだろう。

 創造魔法はここで実験する必要はないとは思った。まあ、やってしまった以上仕方がない。そう思った僕は、ギルドに戻るのだった。

 ギルドで報告を済ませ、宿に戻った僕はそのまま眠りにつくのだった。




〈side???〉


「雪?」


 まあ、私の名前は???だけど。そういうわけではないだろう。それならば、雪とだけ書かれているのはおかしい。つまり、私の個人情報を示すというわけではない。


「ふむふむ。『雪』を操る能力か⋯⋯。なるほど、使えそうだな」


そう言って黒衣の男は笑う。瞬間、私の意識は途切れた⋯⋯。




〈side刹那〉

 翌日、僕はギルドへ向かっていた。そこで、パーティのメンバーと出会っているわけだが⋯⋯。


「やあ!俺は、クラエス!Bランク冒険者だ!よろしくな!」


なんだかハイテンションな男がいた。あとしゃべり方がRPGのモブみたいなことになってる。なんで、こんなしゃべり方で生きてこれてしまったのだろう?なんか、社会的に死亡するような気が⋯⋯。


「ごめんねぇ。こんな変な奴がパーティーメンバーで。あっ、私はモニカよろしくね。こいつと同じBランク冒険者よ」


 そう笑いながら、女性が声をかけてくる。この人もパーティーメンバーの一員で、この後一緒にダンジョンに潜る仲間だ。そしてもう一人だが⋯⋯


「ユキ、よろしく」


 無口な子で年齢は、僕より少し下くらいだろう。透明に近いような白い髪が特徴的だ。なんかコミュニケーションしにくいけど。一応、僕と同じ新米冒険者らしい。


 その後、僕らはダンジョンに向かった。馬車での移動だが、クラエスがしゃべり、それにモニカが軽く突っ込む。それを繰り返していた。ちなみにユキはずっと無言でした⋯⋯。何かしゃべってよ!この人たちの会話に入るのはさすがにしんどいです⋯⋯。陽キャの集団に話しかけるみたいな感じで。わかっていると思うが僕は陰キャである。


「到着しましたよ」


そう御者に声を掛けられる。ようやくついたよ。ずっと声かけられることなく、同じ馬車って結構寂しかった⋯⋯。


「ふー」


 そう言って陽キャ二人組は伸びをする。今から、ダンジョンに向かうのにお気楽だなぁ。と他人事のように思う。

 そのまま、僕らはダンジョンの中へと入っていく。ダンジョンの中は、たいまつが多くあり簡単に舗装されている。なんだか、観光地の洞窟みたいだ。そんなことを、死地にて、思ってしまった。


「さて、新米冒険者の諸君!これからダンジョンについて説明していくぞ!」


 唐突に、クラエスがそんなことを言った。しかも、大声で。周りに人がいたらドン引きされそうである。


「はいはい。まあ、教えてあげるのはいいけど、自分が注意不足じゃ教える資格なんてないんじゃない?」


 そう言って、モニカさんは、手に持った杖で、何やら緑色の人型生命体を叩き潰した。

叩き潰した⁉

 杖の使い方違くない?あれはゴブリンなんだろうけど初めてのゴブリンよりも衝撃的な光景を見てしまった。

ちなみに、ゴブリンはヒト型で人間の5歳児程度の知能を持つ。ファンタジー世界にありがちな設定である。

 叩き潰されたゴブリンから魔石を取り出したモニカは先へと進んでいく。

 それに僕らは小走りでついていく。この時点でこのパーティの上下関係が決まってしまった。


 そして、ある程度進んだところで、クラエスが声をあげた。またか⋯⋯。


「さて、まず第一に気にしなければならないのはこの狭さだ!」


 ダンジョン解説続いてたんですね⋯⋯。心の中でそんなことをつぶやいてしまうが、無知な僕にはとてもありがたい。


「ダンジョンは地上と違って狭い!だから気をつけろ!」


 そう言ってクラエスは歩き始める。何に気を付けるんだ?そんな思いを察してかモニカが口を開く。


「ダンジョンは狭いから、武器が限られるってことを言いたいのよ。大剣とかは使いにくいでしょ」


 なるほど。当然といえば当然だが、ゆえに忘れることも多そうだ。そして、クラエスはミナとは違うタイプの説明下手だと分かった。ミナにクラエス、この世界に来てからそんなに多くの人と会っていないのに、質問してはいけない相手が二人になった。この世界ではそれが普通なのだろうか⋯⋯?

 思考は打ち切ってクラエスの後を追う。序列を崩したクラエスにはどんな天罰が⋯⋯。まあ、モニカもそこまで厳しくないけどね⋯⋯。


「さて、次だが⋯⋯」


 そうクラエスが説明を始めようとした。それを、


「ここからは私が解説するね。あそこの床の色が少し違うのが見えるかな?あれは、罠で侵入者をとらえる仕掛けが施されているんだ。まあ、この程度のダンジョンじゃあ、しばらく動けなくてゴブリンやらのサンドバッグになる程度で、死ぬことはないから安心していいよ。」


とモニカが奪った。そんなことよりも、なにも安心できないんですが⁉何?ゴブリンのサンドバッグって。人間は何分も殴られたらおそらく死亡するんですが⁉


「ふつうは、シーフとかを雇って対処してもらうんだけど」


そう言ってモニカは杖を構える。すると、その杖から岩が出現し?瞬間、


『ドーン』


とそんな爆発のような音がした。先ほどの岩は色の違う床の上で粉々になっている。


「今回は、やばいトラップだったけどまあ、こんな感じで、魔法で何とかもできる」


 岩を粉々にする爆発って、こりゃぁダンジョンが恐怖の象徴になるのもうなずける。ずっと気になっていたんですけど、ユキさんはなんでそんな無表情なんですか?岩が粉々になったんですよ⁉ずっと無言だし。この、同級生とは仲良くできる気がしません⋯⋯。同期の冒険者を同級生って呼ぶのかは知らないけど⋯⋯。


 おそらく呼ばないですよね⋯⋯。同級なら同じランクでないとおかしいし。まあ、この場合、新米冒険者だから同級ではあるんですけどね。

 あと陝?沁螯の名前は雪ではありません。あれ?

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