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偽り言葉日記  作者: 瀬那鶫
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 自分の時間ができて、それを自由に使えるようになったのは大学生になってからで、音楽を聴くようになったのもそれからだ。


 受験勉強をする必要のない受験ばかりしてきたけれど、受験勉強をしている生徒がそうするように音楽を聴きながら勉強することに憧れて、父親をどうにか説得して、中高の時にも音楽が聴ける環境を作ってもらいはしたけれど、聴きたい曲はなくて、流行の曲を聴いてみてあまりしっくりこないけれど、みんなと話を合わせるために覚えたり、真似してみたり。

 自分なりの楽しみ方というには程遠かった。


 大学生になってからは、寮に入るとWi-Fiが使い放題でYouTube見放題という状態になって初めて、自分の好きな音楽というものをゆっくり聴きながら探すことができた。

 そしてそれが、予想通り、最近の流行とは全く違うところにあって、誰にも共感してもらえないということもよく分かった。

 最近好きだなと気が付いたアーティストは、まだ活動している人で、現代に近いから少しは周りの人にも共感してもらえるかもしれないと思ったけれど、「古っ」といわれて片づけられてしまったのは、ショックだった。

 「聴いてたよ」というのが、「古っ」といわれるのよりもショックな感じがするのはなぜだろう。

 でも、今の私はこのアーティストがすごく好きだし、この人のHPを読んでいるとすごく勉強になると思うし、その人が私と同じ年だったころにどんなことをして、どんな風に感じていたのかほんの少しだけどわかるのがなんとなくうれしくて、昔の友達とのやりとりを振り返ってるような感じがして好き。

 私がそのアーティストを好きになったのは、本当に最近のことだから、振り返っているような感じがするというのも変な話なのだけど。

 全然自分とは違うところで生きてる人の筈なのに、共感できるところがたくさんあって、「もしかしたら、私たちそんなに違わない? ちょっと似てる?」ってその人からするとちょっと腹が立って嫌で、気に入らないことかもしれないけれど、そういう風に感じると「私もがんばったらもしかしたら……」そういう希望を与えてくれるのがとてもうれしい。


 自分が何をしたいのかよくわからないけれど、今やってることじゃない。

 でも、これも違う、あれも違うって言ってても仕方ないから、それで終わらないで、どんどん新しいことに挑戦していきたいし、たまには振り返ってもう一回挑戦してみたり、絶対失敗するってわかってても、やりたい、って思ったら思いっきりやってみるとか、そういう勇気をもって生きていきたい。

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