三課 再见
三課 再见
“小铃老师,再见”
小鈴先生にそう言うと僕は家に急いで帰る。今日は待ちに待った日。ゲームアプリでは知り合った女性と会う日だ。仕事の合間に時間を作って会ってくれると言う。小学生で、肥満児の僕だが、今日は給食も一杯だけで我慢して、少しでも良く見られようと努力もした。普段ならクラスメイトの分も食べて、クラスメイトとの軋轢を生んでいたところだ。
今日会う女性は男に振り回されて最近別れたらしい。チャンスだ。誠実さをアピールしてお近付きになってやる。歳の差なんて愛があればなんとかなる……はず。
彼女のアカウント名はBellで、目印にアバターがつけている物と同じような赤いスカーフを右腕に巻いてくるそうだ。
一旦家に帰って、自分の手持ちの中で一番良い服を着て、出ていく。母やアニサキスで会社を休んでいる父にも告げずに。
待ち合わせ場所は近所の駅の改札前。
めいいっぱいのおしゃれをして、完全に浮いている女性がいた。その人の右腕には真っ赤なスカーフが。Bellさんだ。僕はBellさんに近付き、言った。
“老师好”
Bellさんは小鈴先生だった。