表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/15

十一課 吉田也可以去吗?

十一課 吉田也可以去吗?


 山田とマリアは付き合うことになったが、小学生ではあまり遠出が出来ない。そこで李がゴールデンウイークに李の父の所有する別荘へ行かないかと提案してきた。


 二人は友人の善意に甘えることにした。そしてマリアは言った。


“吉田也可以去吗?”


“但是她会打搅你们吧”


“没问题,只要小李照顾她,我们就能调情”


 困った李は山田にアイコンタクトして、話し合いに参加させた。だが山田は初めてのカノジョに舞い上がっていて、李の考えるような答えをくれない。


“玛利亚说的对,单身的人很寂寞”


 山田はマリアの言いなりだった。


 バレンタインの告白を断って以来、吉田と李は心理的距離が開いてしまった。そして吉田だけ、別のクラスで物理的な距離も開いている。李は悩んだ。が、結局吉田も連れて行くことになった。



 吉田は目一杯オシャレをして来ている。だが山田とマリアのペアルックの印象がそれよりも勝っていた。


 そのおかげであまり触れることがないまま港へ。別荘は海の上に浮かぶ島なのだ。


 しかし出迎えてくれるはずの父の秘書がいないし、船もない。


“船还没回来”


 港を管理している人が言った。


 李は別荘に電話をかけてみたが、なぜか通じない。父や秘書など知っているスマホにかけたが、圏外だとのアナウンスが流れるだけだった。


 待合所のようなところで待たせてもらっていると、豪雨が襲う。別荘に行くのは無理そうだ。


 李達は近くの旅館に泊まることにした。家で留守番している李の母に身元を保証してもらい、金銭面の心配はない。

 しかし三日経っても嵐はおさまらず、旅館から一歩も出られなかった。


“侦探小说里,因为风暴被关的房间里经常会发生杀人事件”


“真可怕”


 山田とマリアがそんな会話をしているのを聞いて李は胸騒ぎを抑えられなかった。



 そして嵐が去った後、港に行ってみると手錠をかけられた秘書が警官に囲まれていた。


 秘書は李を見ると悲しそうな顔で、


“对不起”


と言った。


 後で警察に李の父を含めた三人が別荘で秘書に殺されたと聞かされた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ