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一課 你好
一課 你好
小鈴の作ってくれた朝ごはんを食べて、私は会社へ行くために身支度を整える。髪型もスーツの着こなしもオッケー。と思っていたら、ネクタイを直された。なんだかこそばゆい。小鈴と一緒に住むようになって三ヶ月。まだイチャつきたい時期である。しかし会社に間に合うためには時間をかけるわけにはいかない。いってらっしゃいのキスだけで我慢した。
笑顔で手を振る小鈴を背後に感じ、この世の幸せを一身に受けた気分になった私は玄関のドアを開けた。
開けたドアの前に女性が立っていて、笑顔でこう言った。
“你好”
私の妻だった。