料理と日常
リア充滅べ。
リア充上司様の本拠地は実にリア充が多かった。
蓋付き保存容器を扱うケモ耳美少女は調理器具お得セットを扱う赤肌雪男とデキてるし。
ダブル無自覚鈍感系とか滅べ。
きっとアレお互い自覚したら、いちゃラブ馬鹿ップル誕生っぽいから鈍感スキル磨いていて欲しい。どう転んでもムカつき必須ってマジ最悪。
博打ってるおっさん連中に混じっておっさんも茶化してたけど、ムカつき同志としておっさんが物欲しげに見てた酒樽を交換カード二枚と交換した。使い方はクイック・クックが解説してくれたし!
袋の口に直接入れれないサイズの酒樽は縮小収納キットも試し使いできて満足。そこにリア充カップル(未満)さえいなければ!
クイック・クックにも賭博中のおっさん連中にも味付き塩は概ね好評だった。
倉庫市場の受け付けのおっさん(博打の元締めだった)に衣類とか寝具用の物が欲しいけど交換可能か聞いたら今月から来月に半年に一度ペースで報告に来る奴らが大量に見習い作品持って来るからもう一度来いと言われた。
一緒になって賭博中だったリア充上司様(暇なのか。上司様)が「適当にお得な一袋を選んでやろう」とか言ってきたのを羨ましく見て来る外野の心境マジ理解できない。センス不安だ。そしてお湯溶かしスープの素を全部自分のポケットにねじ込んだのをちゃんと見たぞ。
持っていったもののほとんどが試供品みたいな感じで消えた。
セット物の一部が割れるなどして使い難くなった食器の詰め合わせをクイック・クックが一部食材と交換してくれたし、交換カードで調理器具お得セットと保存容器八点セットも手に入れた。
香草塩を今後改良していく約束と共に岩塩もゲット出来たし、食用香草の種子をいくつか選んでくれたクイック・クックに感謝。
基準が塩に合うだった気もするけど。
いろいろ人に出会って、情報が増えて、課題も増えた。
この一カ月が対人関係薄かったから、これからも、なんて訳にはいかないらしい。少なくとも準備ゼロの現状では無理。
対人関係を少ないままでいたいなら自給自足は必須条件で。自分に有利に人脈作りたければ、自給自足と望まれる製品産出が必須課題。
「どっちにしても自給自足と生産性の向上必須……」
鍋や食器をしまうべき場所にしまい、息をつく。
欠けたという食器も別にセット使いしない私には充分上等だったし、やたら軽い鍋やフライパンは扱いやすそうで嬉しくなる。
まぁ、使いやすいサイズを選ぶのがちょっとかかりそうな数はある。
それでもこのシステムキッチンを自分で使ってみたかったという目的がひとつ果たされる。
小麦ちゃんの抜け毛から生まれた食用粉。それは細かい粒に粉砕されている。それこそ市販の小麦粉のように。異世界だからって未発達である理由はないんだけど、どこか先入観はあってファンタジーでここまでの品質というのに違和感がはずれない。
ま。
システムキッチンがある時点でこのくらいの品質はあたりまえなのかなとも思うけど、違うだろと一人ツッコミする日々だったりはする。
さて、料理しようにもバターも卵も砂糖もない。有るのは巨大猫の抜け毛から採れた食用粉と大地蜂の蜜と塩。あー。脂もあったかな?
お肉系はなんか違う気がするからまた今度。
粉に蜂蜜を垂らし混ぜていけばボロボロしたダマができていく。
混ぜたり捏ねたり。丸まったひとつになった塊をめん棒でのしていく。とりあえず、薄くのばしてフライパンで焼いてみた。すいすいとフライパンの中を泳ぐ生地。
焼きあがり結果は。
甘いパリパリしたモノが出来た。
なんとなく、不味いとか食べられないとは言わないけれど、美味しいとは、せめてもっと飢えてないと言えない味だった。
そして、生地はまだまだ残っている。
となれば、
「ま、花園に種子を撒きに行こう!」
目をそらすことにした!
半分は家のそばに撒くけどね。
フクロウと野ねずみ達には甘パリは好評だったようである。
蜂蜜の実は苦手そうなんだけど、実は液状品苦手なだけ?
ばら撒くはしから競争するようについばむ様は公園の鳩のようで正直、ちょっぴり怖い。
ちょろりちょろりと視界の端に色違い野ねずみが混じってる。
地味に他の種族の生き物も近寄って来てるってことかなぁ?
それが私にいいことなのか、大変なことなのかまだわからない。
まぁ、間違いなく大変なんだけどね。課題を考えるだけで溺れそうだから。
予定では明日か明後日にはサビ猫ちゃんに会えるはず!
それは癒し。
私の癒しに早く会いたーい!
あ。
もちろん、小麦ちゃんと過ごす時間は超幸せなんだよ!
でもサビ猫ちゃんが来たらブラッシングブラシが買えるんだ。
ああ。
早くブラッシングしてあげたいぃいい!