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5.松坂家の日常 平日編その2

5.松坂家の日常 平日編その2


 みんなが居なくなると、菫ちゃんはボクをケージの中に戻してからお仕事に出掛けちゃう。ケージの中はちょっと窮屈だなあ。この時期の子猫って大きくなるのが早いんだよ。

 ショップでは朝・夕2回しかご飯を貰えなかったけれど、ここでは1日に3~4回ご飯を貰えるから見る見る大きくなっちゃうよ。


 夕方になると、紗希ちゃんが空ちゃんを連れて帰って来るんだ。空ちゃんは帰って来るなり、菫ちゃんの部屋に上がって来て…。菫ちゃんの部屋は3階にあるんだ。以前は大輔さんと桂子さんの寝室だったんだけどね…。それで、ゲージの前に座り込むんだ。

「パルー」

 って、ボクの名前を呼んでボクに触ろうとケージの中に手を入れるんだよ。そんな風に手を入れられると、思わず匂いを嗅いじゃうんだ。なんか、美味しそうな匂いがしたのでペロペロなめちゃった。すると、空ちゃんはビックリして手をひっこめちゃった。

「ママー!パル居たー」

 そう言って紗希ちゃんを呼ぶんだ。呼ばれた紗希ちゃんが部屋にやって来てボクをケージから出してくれた。抱っこしたままボクを空ちゃんに触らせようとする。空ちゃんはボクの頭を撫でてくれる。空ちゃんの小さな手で撫でられるとなんだかくすぐったいや。ボクは思わずのけぞって紗希ちゃんの手から抜け出しちゃった。漸く自由になったから部屋を隅から隅まで走り回ってみた。

「パルー!」

 空ちゃんがボクを追いかけて来るから、ボクは菫ちゃんのベッドに上ってから出窓へ飛び移る…。

「ニャー」

 失敗しちゃった。ボクは足が短いからジャンプは苦手なんだ。

「パル、おっこった」

 空ちゃんは紗希ちゃんにそう言ってボクの方を指差すんだ。

「本当だ。空、ママ、そろそろご飯の支度をするから下に行くよ」

 紗希ちゃんがボクをケージに戻そうとすると、空ちゃんは早紀ちゃんの服を引っ張って首を振っている。

「パル!パル」

 空ちゃんはボクも一緒に連れて行けって言ってる。紗希ちゃんは仕方なく、ボクを連れて居間へ下りてくれた。狭いケージに戻らなくて済んで、空ちゃん、ちょっとだけ感謝だよ。





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