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3.人間の子供はね…

3.人間の子供はね…


 ショップに居る頃から人間の子供には注意が必要だという話をよく聞いていた。

 ネコをネコと思っていなくて、おもちゃみたいにしっぽをつかんで振り回したり、棒切れで引っ叩いたりするんだ…。みたいな話をね。でも、この家にはそんな子供は居ないみたいでホッとしてたんだ。


 菫ちゃんがお出かけしている間、ボクはケージの中でお留守番。すると、ドアが開いて誰かが部屋に入って来た。桂子さんかな?えっ!これは噂に聞く子供ってやつでは?

「パル!こんにちは」

 そう言ってケージの外から覗いているのは中学生くらいの女の子。夏休みで遊びに来た千聖ちゃんだった。千聖ちゃんはボクをケージから出して抱き上げてくれた。それから、部屋で自由に遊ばせてくれた。なんだ、思ったほど乱暴じゃないじゃないか。それとも、千聖ちゃんは子供だという訳ではないのかな。しばらくすると、ボクをケージに入れて部屋を出て行った。


 千聖ちゃんはその日、菫ちゃんのお部屋のお泊りしたんだ。次の日は日曜日。朝から居間の方が騒がしい。

「空ちゃん、ニャンニャン居るよ!見に行く?」

 桂子さんの声。空ちゃんって…。まさか!部屋のドアが開いた。桂子さんと一緒に入って来たのは…。やっぱり!小っちゃいのだ!

 空ちゃんはケージの外からボクを眺めながら「ニャンニャン」って叫んでる。そのうち、ケージに手を突っ込んで僕に触ろうとするんだ。すると桂子さんがボクをケージから出して空ちゃんに触らせるんだ。

「パルって名前よ」

「パル!」

 空ちゃんはボクの名前を呼びながら、恐る恐る僕の頭を撫でてくれた。なんだ、こんなもの?そんなに怖くも無いじゃないか。


 空ちゃんは2歳になったばかりなんだって。歩くのだってまだまだよちよち歩きって感じだね。桂子さんは僕を空ちゃんの前に放したんだ。空ちゃんはボクを抱っこしようとしたけれど、ボクは思わず逃げちゃった。

「パル!」

 空ちゃんは一生懸命追いかけてくるけれど、まだまだ捕まらないよ!





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