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2.案ずるより産むが易し!

2.案ずるより産むが易し


 桂子さんが反対したのは毛の問題があったからなんだって。ひいジィとひいバァが始めた自営の仕事。服に付いた猫の毛が製品に交じるのがよろしくないんだって。ミーニャさんが居た時もそれが原因で何度かクレームが来たことがあったらしいし。

「ねえ、どうしてもダメ?」

 菫ちゃんは何度も桂子さんに承諾してもらおうと一生懸命だったんだけど、桂子さんは「だめ!」の一辺倒。

「パパはネコ欲しいでしょう?」

 桂子さんがダメだとなると大輔さんを味方につけようと話を振ってみる。

「ん?べつに…」

「ネコ可愛いじゃん!」

「ちゃんと面倒みられるのか?」

「大丈夫!ちゃんと面倒みる。だから、飼ってもいい?」

 菫ちゃんがにわかに目を輝かせた。

「そうは言ってもいつも家に居ないじゃないか。それに動物が居ると部屋が臭くなるからなぁ…」

「私の部屋で買うから」

「ダメよ!ダメ、ダメ!」

 結局、桂子さんは許してくれなかったみたい。


 菫ちゃんは諦めずに、こっそり準備を開始したんだ。まずはケージやトイレを買ってきた。部屋に運ぶ時、桂子さんに見つかったけれど、知らん顔で運んだんだって。だけど、桂子さんはそんな菫ちゃんを見ても何も言わなかったらしい。菫ちゃんは「イケる」そう確信しただろうな。


 ボクがブリーダーのお姉さんと遊んでいると、決意を固めた菫ちゃんがやって来た。

「許してもらえたの?」

「うん!」

 菫ちゃんはボクをバスケットに移すと足早に家へ向かった。すぐに部屋へ上がるとボクをそっとバスケットから出してくれた。その時部屋のドアが開いた。桂子さんだ。

「ほら!パルよ。可愛いでしょう?」

 そうやって菫ちゃんはボクを桂子さんに紹介してくれた。桂子さんは真っ直ぐに菫ちゃんの方にやって来た。そして、菫ちゃんからボクを取り上げた。

「可愛い!」

 そう言って僕に頬ずりをする桂子さん。案ずるより産むが易し!





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