1.初めまして!
1.初めまして!
ボクがこの家に来ることを桂子さんは最初、反対していたんだって。でも、菫ちゃんは強引に僕を連れてきちゃったんだ…。
初めまして!ボクはパル。生後四か月のマンチカン。菫ちゃんのお気に入り、AKB48の島崎遙香ちゃんの愛称“ぱるる”から付けて貰ったんだ。この春から松坂家の一員になったんだよ。
読者の皆さんは既に知っているとは思うけど、一応、松坂家の面々を紹介するね。僕の飼い主は松坂家長女の菫ちゃん、二十歳。菫ちゃんのご両親は大輔さんと桂子さん。長男で菫ちゃんのお兄ちゃんが彩君。そして、彩君のお嫁さんの紗希ちゃん。紗希ちゃんは菫ちゃんの中学・高校の同級生なんだ。更に彩君と紗希ちゃんの子供で二歳になったばかりの空くん。あとは…。そう!桂子さんの両親、竹下登さんと綾子さんも健在です。
彩君に子供が出来たので大輔さんと桂子さんはおじいちゃんとおばあちゃんになっちゃった。おじいちゃんとおばあちゃんはひいおじいちゃんとひいおばあちゃんになっちゃったんだ。
あとはお嫁に行った広子さんと広子さんの娘の千聖ちゃん。広子ちゃんには旦那さんの橋本浩治さんともう一人の子供、お兄ちゃんの真聖君が居るんだけど、あまり絡んでは来ないかな。他にも愉快なキャラクターは居るんだけど、それは本編の中でご紹介しますね。 えっ?誰か忘れてないかって?うーん…。そうか!ミーニャさんのことかな?残念ながら、僕がこの家に来た時、ミーニャさんは居なかったんだ。えっ?どうしたのかって?僕も良くは知らないんだけど、どうやら死んじゃったみたいなんだ。それで、菫ちゃんが僕をこの家に連れて来たんだと思う。ミーニャさんのことは皆が話しているのを聞いただけなんだけど…。
晩年のミーニャさんは殆どひいおじいちゃんの部屋で寝ていたそうなんだ。それも頷けるよ。亡くなった時は23歳だったんだから。人間でいうと軽く百歳は超えているんだもの。知り合いの猫たちもいつの間にか死んじゃって外歩きもしなくなってからは急に元気がなくなったって言ってた。それでも桂子さんや菫ちゃんが遊んでくれていたんだけど、その頃はもう階段も登れないし、走ることもしなくなっていたんだって。ご飯を食べる時だけのそのそと歩いて来るんだと言ってた。
最後はひいおじいちゃんの布団の上で静かに亡くなっていたんだって。おばあちゃんがキンタのお墓の隣に埋めて来たって言ってた。
そんなわけで、僭越ながらこの第三部は僕が主人公。松坂家の日常を面白おかしくレポートさせてもらいます。ヨロシクね!