第3話 ――1日目:二章――
〜入学式終了後〜
オレは今、各教室前にある、クラス編成表の前にいた。
「えっと、お。義孝と一緒か」
「また、な」と、義孝はニカっと笑った。
「幼稚園からずっと一緒のクラスなんだよね」
朱美がオレ達の横からクラス編成表を見る。
「まさに腐れ縁ってカンジ」と、オレはため息をついた。
「ん。そろそろ教室入らねぇとヤバイな」
「待って。私は〜、あ、秀人たちと同じクラスだ」
「よかったな。(秀人と一緒のクラスで)」
義孝はニヤニヤしながら朱美をひじで突っつく。
「ち、ちょっと。」と、朱実は頬を赤めらせた。義孝は朱実になんていったのだろう。
まあ。オレには関係の無いことだろ。うん。……ん? また、視線を感じた。一回目は気のせいでも、二回目はさすがに気のせいじゃない気がするぞ。
振り向くとあるのは桜の木だけ。オレは桜に呪われているのだろうか? 本気でそう考えてしまう。……。仕方がない。気を取り直して、教室に戻ることにしようか。
× × × × × ×
〜教室でのホームルーム後〜
「ねぇねぇ、これからどうする?」
各クラスのショートホームルームが終わった下校時刻(つまり今の事だ)、朱美がオレと義孝がこれからどうするか。と言う話をしていた時に、割って入ってきた。
「そうだ。三人でカラオケ行こう。カラオケ」
義孝が良い事を思いついたかのような顔と共に発言する。
「悪い。二人で行ってくれ」
「? どうした。センセーにでも呼ばれたか?」
義孝が怪訝な顔をする。
「いや、ちょっとな」
「……そか。分かった。じゃあ、また明日」
義孝は納得してくれたみたいで、朱美を引きずりながら、教室を出て行った。
「ち、ちょっと!?」
朱美本人は戸惑っているみたいだが。
二人は教室を出て行った。誰もいない教室は静かで、校庭から響いてくる楽しそうな声がまるで、幻想夢かの様な錯覚さえ思えてくる。