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『彼女』

積み上げられた本、本、本


見渡す限り、山積みされた本ばかりの場所


そんな、人気のない場所に『彼女』はいた


机も椅子もない、そんな場所で『彼女』は徐に傍にあった山の上から1冊の本を手に取り、読み始める


しかし、その本を読むことに飽きてしまったのだろうか


手にしていた本を山に戻し、別の本を読み始めた



・・・もしここに『彼女』以外の者が居て、その行動を見ることが出来たのなら驚いたであろう


『彼女』が読んでいる本、その中身は何の変鉄もない、只の物語である


けれど、それには明かにおかしな点が1つ


そう、本であるにも関わらず、それは途中から白紙のままなのである


『彼女』が手にしている本だけではない、この空間にあるすべての本がこうなのである



・・・そう、『それ』がなければ『彼女』はここにはいない


寧ろ、それが存在することが『彼女』の存在する理由であり、この空間の意味であった



そして『彼女』は動き出す


自らの存在意義の為に

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