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ドリームクリエイト  作者: 真導霧照
模写せし黄狐
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夢を創造する魔法2

今回は長いです^-^

「霊也はさ、誕生日に何がほしい?」

3年前、俺が庭で昼寝をしようとしたときに、不意に優妃が聞いてきた。

「そうだな……優妃から貰えるものなら何でもうれしいよ」

「えっ、そ、そっか」

俺は優妃にそう言って、今度こそ昼寝をした。思えばこれが最後の会話だった。―――翌日の朝、俺はその日、誕生日だったがとくにやることはなく、何時ものように1人でのんびり庭にいた。両親は海外に行ったきり帰ってこないし、本当に1人だった。俺は、今日は優妃達の家に行こうか迷ったが、特に用事はないから庭で静かに目を閉じて、眠りへ入っていった。……それからしばらくして、誰かの叫び声が聞こえた。聞き覚えの声に、俺は跳ね起きて、叫び声のした場所へ急いだ。そして、着いたその場所で見た光景は一生忘れない。いや、忘れられるわけがない。優那の姉、そして俺にとって大切な人、永瀬優妃が血だらけで路上の隅で横たわっていたのだから。その時、俺は路上で膝を突いて呆然としていた。誰かが呼んだのであろう。救急隊の人が来て、病院へ運んだ時にはもう、優妃の意識は現実(ここ)にはなかった。その日、俺は家に帰った後、泣続けていた。そして俺は、優妃が死んだ理由を悟っていた。昨日のプレゼントの話、そして今日は俺の誕生日、おそらく俺のためにプレゼントを買いに行くところか、帰ってきたところだったのだろう。そう悟っていた俺はどう考えても俺のせいだと、俺自身を憎んだ。そしてこれからどうやって優妃の妹、優那に接すればいいのか分からなくなった。あの朝、優妃達の家に行けば買い物のことが分かったのに……。だが俺は、自分自身よりも死ぬ必要のない人が死んでいく世界の不条理を許せなかった。



今はどうなのだろう……。目の前で優那が20歳ほどの男達3人に連れ去られようとしている。そして俺は、優那を助けようとしたが、圧倒的な力の差の前に膝をついた。これはあの時と同じ膝をついている状況なのだろうか? そしてこれは世界の不条理が原因か? 否。この状況は俺に何の力もないのが問題だ。俺は結局、自分に力がないことを世界の不条理のせいにして、自分は無罪だと言いたいだけなのだ。

「見っとも無いな、俺は」

俺はつい笑ってしまった。

「何か言ったか、少年」

1人の男が俺に話しかけてきたが、俺は無視してよろけながらも立ち上がる。

「まだ立つのかこれ以上戦いに来ても無駄だ。諦めな」

俺は忠告されてもなお、俺は男達を睨みつける。

「仕方ない。すまないが少年、しばらく気絶してもらおう」

1人の男が俺に向かって風の魔法を放つ。だが、俺はかわそうとせず、必死に男に勝つ方法を考え続けていた。

「くっ、優妃。俺に優那を助けるために力を貸してくれ」

そう祈った俺の頭に、夢で優妃に昔話した魔法の言葉がふと蘇った。

「気絶でもしながら自分の力不足を悔むんだな」

「来い、夢を創造する魔法(ドリームクリエイト)



目の前の風は男の魔法を吹き飛ばし、その風は、俺を守るように吹き続けている。勿論この風で、優那は隙を見て男達から距離を取っている。

「久しぶりだね♪ 霊也」

そして俺は今、涙があふれ出ている。いや、涙がでないほうがありえないかもしれない。俺は久々に聞くことが出来た声の持ち主、そして、物心ついた時から一緒に過ごしてきた大切な人、永瀬優妃が目の前に立っているのだから。そして俺は不意に抱きしめてしまっている。

「会いたかった、優妃。あの時以来ずっと」

「うん。私も同じだよ。そして、私を再び現実(ここ)に蘇りさせてくれてありがとう」

あぁ。と、俺は言いそうになるが、嬉しさのあまりこの不自然な状況を理解していなかった俺の脳が、だんだん理解してきた。俺は、ゆっくりと優妃を身体から離す。

「何で優妃がここにいるんだ!」

俺の疑問に全く考えもせず、優妃は当たり前のように『霊也のおかげ』などと言い返してくる。わけ分からない。何で死んだ人が生き返っているのだろうか? いくら魔法でも生命の復活はありえないことだというのに、それを優妃は俺のおかげと言ってくる。

「……分かった。質問を変える。俺の魔法は一体何なんだ?」

「霊也? 何でそんなこと聞くの? 昔、霊也が夢で自分の魔法の名前と能力を知ったって言っていたよ」

「……ごめん。覚えていない。でも、優妃。俺の魔法知っているなら教えてくれ」

「はぁ。霊也ってば覚えていなかったの? まぁ、仕方ないから教えてあげる。霊也の魔法の名前は夢を創造する魔法(ドリームクリエイト)。そして、その力は夢に出てきたもので、現実にはないものを創造して、現実に召喚する。召喚できるのは同時に三つまで、あとは自分の夢を記憶することができること……だったはず」

「だったはず……ってことはまだ何かあるかもしれないんだな」

「うん。で、その魔法のおかげで私が召喚されたの」

前にも思ったが、たしか魔法って命を戻すことは出来ないはず。もし、そんなことが出来るのなら、俺の魔法は例外な魔法ということになる。それは信じ難い話だ。……駄目だ。とりあえずこの疑問は一旦忘れよう。このことだけ考えていたら、他のことを聞けない。既に俺の頭の中は疑問で埋め尽くされているのだから。

「じゃもう一つ質問。お前死んだとき13歳だったのに、なんで死んだお前が成長しているんだ? それと、いくら創造っていっても生物を、しかも意思をもったものは召喚できないだろ?」

すると優妃は少し悩んでから、恥ずかしそうに話した。

「まずは最初の質問から。身体の成長は、生きていた頃の私の身体が、3年後はどういう姿になるかを予測して作られたもの」

「それって誰の予測?」

俺は嫌な予感がしたが聞いてみた。俺は好奇心には勝てない性格なのかもしれない。

「そ、それは……創造された者自身で……」

そう言った優妃は頬を少し赤くしながら答えてきた。要するに、この体型は優妃の願望ということらしい。そんなに恥ずかしいなら嘘でもつけばいいものの。確かに昔から嘘つけないやつだったので、あえて俺が聞かなければ良かったのかもしれない。俺は笑わないように我慢しながら思った。

「……まぁ、それはいいとしてもう一つは?」

「なんか間があったよね、今。絶対変なこと考えていたでしょ。あ、そうだ。教えてあげているんだからその代わりに後でこの町の新しい場所案内してよ、霊也♪ というか、無理矢理でも案内させるからね」

案内と言われても、この町であの頃から変わったところなんてそこまで思い浮かばない。でも、俺の魔法について聞けるのならいいのかもしれない。

「分かったよ。案内はするから教えてくれ」

「二つ目の質問は、霊也の言った通り、意思を持った生物を普通は召喚できないけど、その者の魂が創造者の周りにある時のみ、その者を召喚でき、なおかつ意思を持たせることができるんだ」

「え~と。要するに俺の近くにある魂は召喚することが出来るわけか」

「簡単に言うとそういうこと」

俺はやっと自分の力多少理解できてきた。だがまだ疑問が残っている。

「あのさ、俺達を包んでいるこの風って、俺は夢で見た覚えがないんだけど……」

とりあえずこの周りを包んでいる風について聞くのがいいだろう。この現状で最も疑問に思うものの一つだ。

「あぁ、これは私の魔法で風の(ウインドベール)って言うんだ。この魔法が続く限り私が敵と認識した者に攻撃し続けるんだよ」

俺はこの魔法の能力を聞いて驚く。流石にこれは驚きを隠せなかった。

「おい……。それって上級魔導師級だろ」

「うん。そうだけど、霊也なんて究極級魔導師なんだから私なんかまだまだだよ」

「はぁ?」

やばい。また理解できなくなってきた。俺が究極魔導師とかありえないことになっている。究極級魔導師は現在世界に3人しか存在しない、生きる伝説とまで言われる者なのだ。俺はかなり悩んでいると、優那がテレパスを繋いできた。

〈ねぇ、霊也。取り込み中悪いけどそろそろHRの時間だよ〉

〈なんだ、優那か。今それどころじゃないだろ。しかもここに優妃がいるし〉

〈そんなことはどうでもいいの。それより学園だよ。霊也は低級魔道師だから、また怒られちゃうよ〉

確かにそうだが、優那にとっては優妃が蘇ったことより学園なのだろうか? 俺は少し考えていると俺達のテレパスに誰かが入りこんできた。

〈大丈夫だよ♪ 霊也は究極級魔導師なんだから、叱られるなんてありえないよ〉

〈えっ、お姉ちゃん! どうやって個人用テレパスに入ってきたの?〉

ちょっと待て。優那は優妃が蘇ったことにはそこまで驚いていなかったのに、テレパスに干渉することについて驚いているのだろうか? 俺とは観点が違い過ぎて驚く。素直に俺は優那の特異さをある意味尊敬した。

〈そんなの簡単だよ。私は霊也に召喚されたんだから霊也とは常に繋がっているんだよ。だから自由に回線に入れるよ〉

〈……ちょっと待て。俺の回線に何時でもって、本当に何時でも、なのか?〉

〈勿論♪〉

優妃の返事を聞いて、俺はこれから気を付けてテレパスをしようと心に決めた。

〈はぁ。なんか霊也、お姉ちゃんが帰ってきて顔が少し緩んでいるようなんだけど、まぁいいや。お姉ちゃん帰ってきたし、私も昔みたいに……〉

そこまで聞いて、俺はこの前からの優那の行動の理由が分かった。

〈なぁ、お前。もしかして優妃の真似していたのか? あぁ、道理で妙に優妃に似ていたわけだ〉

〈でも、これからは昔に戻すから。勿論これからは朝ご飯も作らないし、起こしに行かないし、本当になにもしないよ。分かった? 霊也兄〉

〈あぁ。その方がしっくりくる。……っていうことは、明日からは起こされる立場に戻るんだな〉

俺と優那が昔のように戻り、話が弾んでいるところを優妃が最初の内容に戻した。

〈……2人とも、話戻すけど学園に早く行きたいの?〉

〈〈……はい〉〉

俺達は素直に返事をした。こういうところは姉の風格なのだろう。

〈じゃあ、この男の人達風で飛ばしちゃうね〉

優妃が言った途端、俺達の周りの風は消え去り、男達は優妃が操る風に吹き飛ばされていった。そういえばさっきから男達の存在を忘れていた。どんな状況でも意味不明なことが起こるとそれだけに集中してしまうことが改めて分かった。男達も呆気ないものだった。

〈よし。次は学園だね。優那も霊也も私の周りに来てね〉

テレパスを切って、俺達は言われるが儘、優妃に近寄る。すると、少しずつだが風が集まってくる。

「それじゃあ行くよ。風の絨毯(ウインドマット)

突如、重力がなくなったように体が浮き始めた。

「うお! 俺達浮いているのか?」

「違うよ。風の絨毯(ウインドマット)に乗っているだけ。そんなことより学園に飛ばすよ」

優妃が俺の呟いたことに答え終えると、絨毯を学園へ飛ばす。このおかげで俺達は学園に遅れることはなかった。


明日は出せれば出します!!

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