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試合前の放送席

前回から沼田政信さんのチームを借りてます。今回は台詞ばかりです。カッコで区別つけてます。


「」が実況、『』が解説者、《》がリポーターです。

「2008年、同じ年にJリーグに昇格し、切磋琢磨を続けたジェミルダート尾道とアガーラ和歌山。片や昇格戦線生き残りへ、片や念願の昇格まであと一息。残りあと10試合、弾みをつけたい一戦です。Jリーグディビジョン2第33節、ジェミルダート尾道対アガーラ和歌山の一戦。解説はドリブラーとして活躍し、今シーズンから広報としてクラブの情報を発信する、元尾道ミッドフィルダー高橋一明さん、ピッチリポーターはテレビ山陽の宮島りのさん。実況浅井公二郎で備後運動公園陸上競技場からお送りします。高橋さん今日はよろしくお願いします」

『はいお願いします』

「さて今シーズンの尾道なんですが、クラブのJFL時代を知る高橋さんとしては、なにか感慨深いもの、あるんじゃないですか」

『そうですねえ、早かったような遅かったような、まあJリーグに上がったばかりの頃と比べると、やっぱり嬉しいですよねえ。やっと、水沢監督のチームにかけてきた情熱が結果になってきた、それが今のポジションだと思いますね』

「今シーズンはそれまでの水沢サッカーと比べて、大分攻撃的になったなという印象があるんですけど、そのあたりどうですか」

『まあ毎年のことなんですけど選手がよく入れ代わるんですが、今年は金田とか今村とか中盤の主力がごっそり抜けたんで心配したんですけどね。その分野口君とか亀井君とか若い生え抜きが力つけて来ましたんで…まあ若い力が軸になっていて、それがたまたま攻撃でプラスになってるだけですよ』

「まあ今日対戦する、和歌山がその典型ですからね」

『そういうことです』

「ではここで両チームのスターティングメンバーをご紹介しておきましょう。まずはホームの尾道、前節はアウェーて熊本とスコアレスドロー、ここ3試合勝利がありませんがメンバーに大きな変化はありません。最後尾キーパーは宇佐野。ディフェンス4バック右から小原、モンテーロ、橋本、マルコス・イデ。ダブルボランチにクレーベルと亀井。サイドハーフ右桂城、左御野。荒川と野口の2トップです。リザーブはキーパーここ最近松井。ディフェンダーはケガから復帰の港、朴。ミッドフィルダークロッサーの山田、ジョーカー茅野。フォワードはルーキー竹田と芳松です。まあ、ここしばらくはベストメンバーで戦えてるんですがねえ」

『そうですね、カード大分溜まってきましたからねえ。この時期はコンディションもそうですけど、カードも気になりますよね』

「今日の尾道のメンバーでカードがないのは松井と竹田、芳松の三人だけ。スタメンは全員カードを持っていて、モンテーロ、橋本、マルコス、桂城、そして荒川と五人リーチかかってます」

『特にモンテーロとマルコスは貰うと二回目なんで、あんまり残り試合少なくなってからはもらいたくないですね』

「その中でも高橋さんの一押しは誰になりますか」

『やっぱり相手に知られてないという点ではクレーベルに期待したいですねえ。まだ19なんですけど展開力は素晴らしいし、桂城以外レギュラーにゲームメイカータイプがいなかったので、非常に頼りになりますね。今日も決定的な仕事してくれるはずですよ』


「一方のアガーラ和歌山のスタメンです。現在リーグ戦は19試合負けなしと絶好調。前節も福岡に快勝しています。キーパーが友成。ディフェンス4バック右から長山、猪口、大森、関原。今シーズン中盤でのプレーが多かった猪口が久しぶりのセンターバックです。チョンと久岡のダブルボランチに右佐久間、左栗栖のサイドハーフ。剣崎、竹内のJ2最強と言っていい強力2トップの前線です。リザーブはキーパーがベテラン吉岡、ディフェンダー沼井、ミッドフィルダー三上とマルコスソウザ。鶴岡、矢神、去年まで尾道にいた王とフォワード三枚が控えます。相変わらずすごい陣容ですねえ」

『去年長居で試合したときもそうなんですけど、もう攻撃的チームの代表格ですよね。ここまでガラッと変わったチームは記憶ないですね。本当に若い力がそのままいい方向に出てますね』

「その中で高橋さんがキーマンにあげるとすれば誰になりますか」

『うーん普通なら剣崎や竹内になりそうですけど…今日はチョン選手を推しますね』

「今日の和歌山では最年長になるベテランですね」

『運動量、迫力、視野の広さ、もうアラフォーなのに全然変わらないですよね。やっぱり若い選手がこれだけ自由にできるのは、こういったまとめ役のベテランの存在ですよね』

「ただ和歌山も主力にカードが溜まっていて、エースの剣崎、今あげていただいたチョン、センターバックの大森とこの三人がリーチとなっています」

『そうですよねえ。和歌山は次ホームで神戸、その次がアウェーで大阪としますんで、あんまりもらいたくないですね』


「さあ今選手たちが出てまいりました。それではここでピッチサイドの情報を伝えてもらいましょう。宮島さんお願いします」

《はいよろしくお願いします。まず試合前に尾道サポーターの皆さんにお話を伺ったんですが、聞く人皆さんが去年のホームゲームでの屈辱が頭に浮かんだそうです。サポーターの間では『備後の沈黙』というキーワードで記憶されていて、「今日は勝ってその屈辱を振り払いたい」と気合いが入っていまして、今の選手入場に合わせて、もういきなりの大合唱で熱のこもった応援が始まっています。それで試合前日に御野選手にお話を伺ったんですが、やはり御野選手もその試合が頭にあるようで、今日への意気込みはサポーターの皆さんと同じと言うことです。こちらからは以上です》

「宮島さんのピッチリポートでした。いや高橋さんも話聞いてて頷けるところあったんじゃないですか」

『ですねえ。僕はあの時はまだリハビリ中でスタンドから見てたんですけど、ああいう逆転負けをしたこととチームの力になれなかったこと、その両方で悔しかったですね』

「まあ昨年は相手のホームで一応リベンジはされていますが」

『いや、やっぱ雪辱はホームで晴らさないとすっきりしませんよ。それに今年は先に負けてますし、なんとか今日は勝ちたいですね』


「さあ今コイントスが終わって、尾道ボールでのキックオフとなるそうです。気温29度、湿度68%、風殆どなしというコンディションの中、間もなくキックオフです!」


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