表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

壊れた理由

 ※2007/5/18


 本日の起床、午前2時50分。昼寝をたくさんしたので、睡眠は十分とれました。ただ、あまり良い夢を見なかった。おかげで何度もうなされて起きる羽目になりました。


 夢の中で、ある日研修に出ることになりました。看護師の研修です。参加すると、かつての同僚が出世していて、華々しくプレゼンテーションをしています。帰り際、元同僚や、元上司が声をかけてきて、

「うちへもどっていらっしゃいよ。あなたの力が必要よ」

と言ってくれて、私は声をあげて泣きました。うれしかったのです。

 そして目が覚め、夢だと気づき、なんとも寂しい気持ちにかられました。

「ああ、私は今、無職だった。うつで働けないんだった・・・」


 私は29歳で看護師長になりました。今から10年前です。

仕事に生き甲斐を感じていた私は、自分で言うのもなんですが、優秀でした。

その病院の中で、29歳で看護師長になったのは、私が初めてで、最年少でした。

うれしくて、ますます仕事に力を注ぎました。


ところが、週に一度、看護師長会議があるのですが、いろいろな場面で無視をされました。妬まれたのです。看護部長から、何くれとなく声をかけてもらっていたのですが、それが他の師長のかんに障ったようでした。


結果、不慣れな管理業務を覚えるのに必死だった上に、雑用は全部私にまわってきました。そのうえ私の病棟の、30人いるスタッフは、全員年上でした。完全に舐められているのを感じ取りました。なので、仕事でのストレスは膨大でした。


 その頃子供は3歳でした。手のかかる時期で、よく病気になりました。

その頃はまだ私の両親とは同居していなかったのですが、娘が病気でも、仕事を休むわけにはいかず、近所に住む私の母に預けていました。すると、

「子供が病気だというのに、母親が仕事を優先するなんて」

と、姑が私をしょっちゅう咎めました。


 朝6時に出勤し、なるべく早く帰宅するように努力したのですが、夜の8時を過ぎてしまいます。

それに加えて家事。夫は毎晩帰宅が11時を過ぎます。残業か、お得意様とのつきあいかのどちらかだと言います。後にこれは嘘で、毎晩閉店までパチンコをしていたことがわかるのですが・・・。


 ある日、私の病棟の担当医が変わることになりました。新しいドクターは・・・私にセクハラをしてきました。夜、待ち伏せされ、人のいないところでキスを強要され、拒んだところ、次の日から患者さんの指示をだしてくれなくなりました。上司に相談したところ、現場を見ていないので、何も言えないと言われました。


 仕事と子育てと家事。仕事と言っても管理職になりたてで、嫌がらせもされている。姑は私を咎め、夫はかばってくれず、協力もしない。子供と関わる時間が少ない。仕事の勉強もしなければいけない。担当医のセクハラ・・・。


 結果、2年で私は壊れました。


 ある日、突然自殺したくなり、職場でも部下の前で泣き出したり、切れたりするようになりました。見かねた上司が心療内科を探して紹介してくれ、受診したところ、うつ病と診断を受けました。仕事は上司から退職をすすめられました。


 退職したとき、十分な休養をとっていれば、今も元気にどこかの病院で働いていたことでしょう。ところが看護師長としての器が無かった自分が情けなく、激しく挫折感を覚え、わざわざ忙しい、心臓外科に就職しました。いろいろな救急処置について、勉強しようと思ったのです。

 さらに、ケアマネージャーの資格も取りました。毎朝3時に起きて勉強し、夜は10時以降の帰宅。家事はお金を渡して母に頼みました。


 でも、ここでも子供と関わる時間は少なく、そのことに罪悪感があり、さらに姑にも責められ続け、仕事では、最新医療の勉強と研修で、休日も返上する日々が続き、うつ病がさらに悪化してしまい、どうやっても働く気力がなくなってしまいました。その病院を、一年半で辞めることになりました。


 それからは、少し休んでは再就職するものの、多くのことに追い詰められていた私は苦しくて仕事が出来ませんでした。精神科の薬を山ほど飲んでもぴくりとも動けなくなり、そんなとき夫の薦めでパチンコを覚え、ストレスが膨大で、苦しくて死にたかった私は、パチンコにのめりこみました。


 毎夜、子供を寝かしつけ、夫とパチンコに行きました。ところが一緒にパチンコに行くようになったとたん、夫の帰宅が早くなりました。しかも、土曜日勤務だった夫が、急に週休二日制になったのです。それである日気づきました。夫は10年間、仕事と偽り毎晩と土曜日、パチンコへ行っていたのです。さらに借金も発覚しました。


 心が粉々に砕け散ったようになりました。夫には月10万円のお小遣いを渡していました。私が仕事を優先させていることに、負い目があったからです。でも姑からはかばってくれない。そして10年間の嘘。もうそのときには私には離婚する気力はありませんでした。

 結果、精神科に入院し、私の両親と同居することになりました。夫の実家はさすがに何も言えなかったようです。


 現在の私は再び就職を試みては行けなくなる、ということを繰り返しています。夫は反省し、何くれとなく私に尽くしてくれるようになりました。でも生き甲斐だった仕事がどうしてもできない。他に取り柄のない私にとって、看護師で居続けることがアイデンティティ、砦なのです。


 仕事の夢は、しょっちゅう見ます。でも仕方がない。私が悪かったのです。欲張りすぎた。結婚も仕事も地位も、全部手に入れようとして、破綻した。だから今、家にいなさいと、神様が言っているんだと思うのです。~



 いやいや、これが4年前に書いた、ある日のブログです。

振り返ると、壮絶ですな。まあ、うつ病になっても仕方ないかも。でも、それ以外にも精神疾患になる要素はあったのです。それは実母との関係。後に書きます。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ