97 チガヤ王国
チガヤ王国城下町に到着。
チガヤの名産は酪農関係。
即ち、乳製品が豊富っ!安いっ!
屋台は4国共通なのか、またもや広場にあった。
チーズをたっぷり乗せたホットドックもどきやミルクスープ、どれも美味しい。
夏でも涼しい気候のため、熱い食べ物の屋台も人が多い。
屋台で昼食を済ませたあと宿をとり、レンに色々と案内してもらう。
女子っぽい土産を探しながらの探索だ。
勿論菓子屋に寄るのも忘れない。
これを忘れたらトマとスーに怒られる。
レンのおかあさんに会うのは明日。
転移魔方陣を試すのもその時だ。
逸れないように手を繋ぎ、人の流れに乗る。
しかしなんだろう。
視線を感じるのだが。
チガヤでは黒い髪、そんなに珍しくないのに。
純粋な黒は珍しいが、紺の髪とぱっと見は変わらない。
「レン、何か視線を感じる」
「気のせいだ」
レンには心当たりがあるらしい。
知り合いだろうか。
話掛けてこないのは何故だろう。
異邦人がいるので遠慮されているのだろうか。
「友達?」
「違う。イチイは気にしなくて良い」
「わかった」
気にはなるが、言いたくないのだろうからしょうがない。
革製品が多いようだった。
酪農が盛んだからだろうか。
革で出来たコサージュや小物入れを見繕う。
トマやスーにはミルクジャムやヨーグルト・チーズを土産にしよう。
保存がきかないので最終日に買い、保存魔法をかける。
夕飯は宿ではなく高級そうなレストランで摂った。
フルコースにはふんだんに乳製品が使われており、濃厚。
たまにはこってり味も良いものだ。
前菜の野菜とキノコのグラタンも、ポタージュも、メインのお肉のバターソースも、デザートのクレームブリュレもどきも美味しかった。
乳製品万歳。